私にとって貴方は眩しかった。
とても輝いているように見えた。
でもよく見たら輝いているのは
貴方じゃなかったんだね。
段々と貴方の影の部分しか見えなくなって
貴方がなんなのか、わからなくなっていって
視界が眩んだ。
貴方が輝いてなくても
私は全てを愛したかった。
なのに
あなたを知ろうとすれば知るほど
私まで影に飲み込まれていって
貴方はとうとういなくなってしまった。
悲しみに暮れて俯いた。
ふと前を見ると目に痛みを覚えたが、
数秒したら視界は鮮やかになっていった。
あぁ、なんだ
世界はこんなに輝いていたのか。
貴方と一緒に過ごす夢を見た。
ただ楽しく話して
一緒にご飯を食べて
好きなことについて語り合う。
そんな普通の幸せな夢。
恋人じゃなくてもできるようなこと
ただの友達でもできることが
もうできなくなってしまって
「普通」がいかに幸せかを
思い知った頃には目が覚めた。
朝日が滲んだ。
もう隣に貴方はいない。
私にとって普通になってしまった一日が始まる。
私と別れた彼は、タイムマシーンがあったら
私と出会ったあの頃に戻りたいと言った。
それはどういう意味なのか。
最初からやり直したいという意味か
私と出会いたくないという意味か。
どちらにしろ私はやり直したくない。
その頃は、彼氏に浮気されて別れた時だから。
貴方とやり直すのももう嫌なの。
貴方に期待するのももう疲れたの。
貴方は過去ばかり見てたらいいわ。
私はもう前しか見てないから。
じゃあね。
あの頃は大好きだったよ。
もうあの頃の貴方も
あの頃の私も
存在しないけどね。
眠る前にはいつも貴方のことを思い出す。
貴方との思い出が溢れかえって、
夢の中にまで貴方が出てくる。
きっとこの思い出を今後思い返す人は
私しかいない。
2人の思い出なのに、
大事に抱えているのは私だけ。
特別な思い出を抱えた夜。
私はひとりじゃない。
貴方がくれた時間が、私の中で再生しているから。
貴方のことを考えると息が苦しくなった。
どれだけ手を伸ばしてもどんどん私は沈んでいって、
光はどんどん遠くなった。
私は海の底で貴方に手を伸ばすだけ。
輝く貴方には、こんな薄暗い海の底なんて
見えていないでしょうね。
私の視界にはどこもかしこも
あなたの光が溢れているというのに。