月灯り

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9/13/2025, 10:45:10 AM

「空白」

真っ白なページ
何も書いていない白紙のページ

本の最初には
白紙のページがある時がある

そこには
物語の心が込められている


誰が読んでくれるのだろう。
どんな人が読んでくれるのだろう。
物語を読む前に知ってもらいたい。
こんなことを知ってから読んで欲しい。
こんな人のために書いた。
こんな人に感じて欲しいんだ。

作者と登場人物の
重なった想いが打ち消しあって
見えない文字と言葉になった

あなたが読んだ
あの本の心を
覗いてみて

9/11/2025, 1:09:15 PM

「ひとりきり」

ひとりきりだと感じることが
日常によくある


自分だけがみんなより
落ちこぼれていて

ひとりきりだと思うことが
とてもある

自分だけがみんなより
才能もなくて

楽しそうな歌や
恋の歌を
聞く余裕もないほど
醜くて

嬉しそうな声や
告白に
心躍る余裕も
無くて


締め付けられる感情が
口から溢れてきて
心を蝕んでゆく

一人になりたい夜も
孤独すぎて辛くて
家族も友達もその名称だけで
ただの他人

そんなことに気付いた時
独りぽっち


◯にたいと感じることが
帰り道にある

自分だけがみんなと
違うように感じて

◯にたいと感じることが
少しある

自分だけがみんなと
かけ離れていて

苦しそうな歌や
◯にたい歌を
聴いてまだ大丈夫だと
言い聞かせて

辛そうな声や
泣き声に
心痛める余裕も
無くて

吐き出したい感情が
目から溢れてきて
視界を黒に染めてゆく

誰かと居たい夜も
周りはカップルだらけ
恋人も親友も名称だけ近い
ただの他人

そんなことが分かった時
独りきり

9/10/2025, 8:10:37 AM

「フィルター」

薄汚れた世界で
君だけが輝いていて

近くで見たくても
見えなくなっちゃって

世界が白黒のようで
僕だけが見えないようで

周りが笑っている中
僕は1人、空を見る

すると君がやってきて
少しこちらを見つめて

緊張して僕は
いつも以上に目立たないように
気配を消そうと努力する

でも君だけが眩しくて
君の周りが眩しくて
目が離せないんだ

そんなことを考えている間にも
君は近くにやってきて

君のお気に入りの
そのハンカチで

僕の目を優しく拭いた

すると世界に色が付いて

君がちょっと見惚れるくらい
僕もかっこいい黒色で

嬉しくなってお礼を言おうと
動こうとしたときに

誤って転けちゃって
落ちちゃった




きれいになったカメラのレンズが
落ちた衝撃で割れたのを見て
「あーあ、貰おうと思ったのに。」と言って
君は去っていった

9/8/2025, 2:01:24 PM

「仲間になれなくて」

仲間になったら何をする?

話しかけてくれる子や
君の真似を少しだけしてみたり

僕は仲間だと思ってたけれど
君たちから見たら違ったみたい

みんな楽しそうに授業を受けて
僕は近くで眺めてる

楽しそう
キラキラしていて
僕には到底届かない物なんだな

最初、学校に来たときは
物珍しさで話しかけてくれたけど

今は視界に映るだけで
どうでもいいの?

飽きちゃったの?



水の中で
口から息を吐きながら
金魚用のエサをくれた君を
今日も眺める

9/7/2025, 1:42:25 AM

「誰もいない教室」

静かな教室で
黙々と掃除をする

校舎の外からは
みんなが楽しそうに笑う声

僕には友達もいないから
いつも孤独で

なんでこんな事になったんだろう
そう考えない日は無くて

空想の友達を作ってでも
寂しさを紛らわせたくて

そんな話をした時
君は笑った

いつも自分の考えに
共感してくれて

いつも僕を慰めてくれた

家族ともあまり話さないから
話し相手は君一人だった

君になら遠慮なく話せた

君の話も聞きたかったけど
君は微笑んでばかりだった

それでも
話を聞いてくれてる
そんな事実が嬉しくて

気にせずに話した



「なぁ、またあいつ一人で喋ってるよ」
「気持ち悪、、」
「空想の友達って奴だろw」
「可哀想すぎるww」



皆にはこの子が見えないらしい
何故だろう

君はここに居るのに、、


そう思いながら僕は
1人っきりで黙々と掃除を続けた

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