運命が気がつかないうちに繋がっている
それが赤い糸
手繰り寄せることができるのは
自分自身
待っているだけじゃ動かない
自分自身と向き合う糸
青い空に浮かぶ白い入道雲の組み合わせを目にすると
季節を感じるそしてそんな瞬間を少し愛おしく思う
焼けるような日差しと茹だるような暑さに辟易していても、その瞬間だけは「夏」を素直に受け止められる
入道雲の似合う「夏」
この雲を見て私は何を思うのだろうか
後から訪れる雨に打たれる自分の心配?
それとも
雨と共に流れていってもらいたい記憶、想い、気持ち
その場に立ち止まっていれば流してもらえるのだろうか
入道雲を見たらきっとそんな思いが交錯する
そんな予感がした
夕暮れが過ぎ辺りは闇に包まれ始めていた
自宅を目指して帰る人が行き交うその通りの傍らに貴方はいた。
周囲の雰囲気に馴染むことなく、ただ黙々と手を動かしていた貴方。
周りに目を向けることをせず、何なら音も全て遮断されていたのではないかと思うような空間の中でひたすらやるべきことと向き合っていた。
その中に私は入ってはいけなかったし、入ることは許されなかった。この先も多分許される事は無いだろう。
貴方と会った最後の時間
同じ場所にはいたけれど全く別の空間だったなんて
あの時の私は貴方の何を見ていたのだろうか。
今でもわからない。あの時の自分が。
閉め損なった蛇口から水滴が滴り落ちるように
ポタポタと時間が過ぎていく
気付いたら月日が経っていた、そんな感じ
いつの間にか1年という時間は流れて
自分の気持ちの中にあった
怒りとか
悲しみとか
苦しみとか
そういった類いの澱みがいつの間にか濾過されて
私のバケツには真新しい水が入っていた
もちろん蛇口の水はまだ止まってはいない
あぁ、そうか
1年ってそういうことだったんだ
いつまでも同じところには居ないんだな
あなたもそして私も
落ちていく
私が
身体が
何故私は落ちているの?
何が私を引っ張っているの?
直前まで自分がどこで何をしていたのかなんて全く思い出せない。
ただ ただ
足が身体が「がくん」と引っ張られるその感覚に身を任せている。
「あっ…」
思わず声が出そうになったその時
夢から目覚めた自分がいた。