12/29/2023, 12:44:28 PM
炬燵の中で温もりを感じているとき、ふと窓の外を見ると白く小さな雪が降る閑散とした景色がひろがっていた。
炬燵の上に置いてあるみかんを一つ掴み、皮を剥く。こんな動作をしていると、祖母の家に行く度に食べることができたみかんを思い出す。
皮を剥いたみかんを食べると、祖母の家の景色がより鮮明に蘇ってくる。
「久しぶりにおばあちゃんの家行こうかな...」
静かな小部屋の中では、私の声と雪が地面と接触する音のみが聞こえてきた。
8/29/2023, 10:30:29 AM
笑った顔を見るだけでいい
立って歩いている姿を見るだけでいい
ご飯を食べているところを見るだけでいい
言葉なんてものはいらない
ただ、あなたに会いたいだけなのに......
『言葉はいらない、ただ......』
8/27/2023, 11:58:55 AM
「私、彼氏できたんだ」
バイトの帰り道、偶然会った幼馴染にそう言われた
「大学のサークルで会った人でね、私から告白したらOKしてもらえたんだ」
照れ混じりで頬を赤らめながら彼女はそう言った
「...そっかおめでとう。大事にしろよ。その彼氏」
「うん。ありがとう。あ、じゃあ私こっちだから、じゃあね!」
彼女はそう言って背を向け、歩いて行った。
「...彼氏、か」
そう呟いた時、俺の頬に冷たい感触があった
これはきっと、雨のせいだろう
「初恋、叶わなかったか...」
『雨に佇む』
8/27/2023, 9:07:41 AM
ある日母親が亡くなった
女で一つで私を育ててくれた母親が
遺品の整理をしていた際に見つけた一つのノート
そこには私についてのことが書いていた
「私が生まれたこと」
「私が初めて歩いたこと」
「私が小学生になった時のこと」
「私の就職先が決まった時のこと」
これは、私が生まれてから母が書いていた
『私の日記帳』