NoName

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「私、彼氏できたんだ」

バイトの帰り道、偶然会った幼馴染にそう言われた

「大学のサークルで会った人でね、私から告白したらOKしてもらえたんだ」

照れ混じりで頬を赤らめながら彼女はそう言った

「...そっかおめでとう。大事にしろよ。その彼氏」

「うん。ありがとう。あ、じゃあ私こっちだから、じゃあね!」

彼女はそう言って背を向け、歩いて行った。

「...彼氏、か」

そう呟いた時、俺の頬に冷たい感触があった

これはきっと、雨のせいだろう

「初恋、叶わなかったか...」

『雨に佇む』

8/27/2023, 11:58:55 AM