純情人間

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8/6/2025, 1:12:01 AM

買ってくれたばかりのゴーグルをつけて

浴槽の中に頭を沈め数秒息を止めた後、

数秒かけてゆっくり浮上する。

先生は水は怖くないと言っていたが、

本当にプールの中は“海”みたいなのだろうか。

でも明日は嫌でも行かないと行けない。

もう一度頭を浅い海の中へと沈める。

このまま泡になりたい。

8/2/2025, 3:10:54 PM

フェリーの待合室に独り、船を待つ。

八月のベンチは暑さで湿り気を帯びており、

少し動いただけで感じる摩擦が気持ち悪い。

手元には、都会に住む友人からの手紙。

ある日突然ポストに入っていた。

字の汚さは相変わらずみたいだ。

本人はあまり気にしていないのだろう。

十年前の夏、あいつはこの島を去った。

こんな言い方をすると、あいつがここを捨てたように

聞こえてしまうから他の言葉を探すが、

どうもその言葉が見つからない。

思わず吹き出してしまいそうな野望を語るあいつを

ここから送り出したっけ。

だんだん遠ざかっていくあいつの姿は、

波にさらわれていくようで…

ボォーッという轟音が室内まで響き渡った。

続きは会ってからだな。

少し湿ったジーパンが、しつこく食い込んでくるのを

不快に思いながら乗り場へと向かった。

8/1/2025, 10:39:50 AM

いつの話だったか思い出せない。

何の話だったっけ。んー、分からん。

7/31/2025, 2:49:05 PM

寝る一時間前は、ブルーライトを浴びないようにする

のを頑張ろうと思う。

もうすぐ日付が変わるというのに、

そんな事を記すため、スマートフォンを持ち上げた。

7/30/2025, 3:10:13 PM

なんか熱いな、うっすらと目を開ける。

今日の自習室のエアコンは調子が悪いようだ。

先生に温度調節していいか聞きに行こうと思うが、

四階から二階まで降りなければならないのを考えると

どうも動く気がしない。そもそも眠いのだ。

あれっ、みんな居なくなってる。時計を見た。

授業はとっくに始まっていた。ドクンと心臓が鳴った

と思うと、身体の中心から手足にかけて、

血液が巡っていくのを感じた。

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