純情人間

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6/17/2025, 11:57:23 AM

どこがかゆいか分からない。

どこがかゆいか分からなければ、届くはずもない。

教室のど真ん中でチャイムが鳴るのを待った。

6/16/2025, 1:09:33 PM

平日の部活終わりに塾の駐輪場を探している。

確かこっちだったような。一旦自転車を止める。

もう何度も通っている道なのに、

夜になると全く違う景色になるのだ。

塾ではもう授業が始まっているのだろうか。

途方に暮れていると、そこに一筋の光が差した。

そうだ、近くに八百屋があったんだった。

そこの店主と思わしき人が出てきた。

駐輪場の場所を聞いてみる。

しかし、彼は腕を組んだまま答えてくれなかった。

6/15/2025, 2:07:19 PM

僕が生まれた時から使っているマグカップ。

そこには飛行機の絵とひらがなで自分の名前がある。

父がかいてくれたものだという。

今ではすっかり色褪せてしまっているが、

いつまでも変わらないような気がする。

6/14/2025, 1:39:36 PM

着信音で目が覚める。

それを確認する素振りすら見せず机に向かい、

特に理由もなく机の上に置いてある地球儀を回した。

深夜に買ったバターチップスの感覚が

まだ舌の上でざらざらと存在感を放っていた。

着信の内容を知った後のことはあまり覚えていない。

ただ今になって思うのは、

もしも君が、あの時僕に相談してくれたなら。

6/13/2025, 2:30:29 PM

さっきから唐揚げの匂いが止まらない。

どこから匂いが発せられているのか。

先生が生徒の板書に文句を言いながら、

隣に文字を書いている隙にそっと後ろを振り返った。

すると授業中にも関わらず、自分のすぐ後ろで

友人が唐揚げを口に運んでいた。

他の皆んなは気づいていないのか、

黙々とノートにメモを取っていた。一方で友人は、

クチャクチャと音をたてながら、

黙々と食べ続けていた。2秒ほど目が合って、

咄嗟に黒板へ視線をやった。

先生はまだ文字を書いていた。

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