同じ1歩を
一緒に歩いても
あなたの1歩は
私の半歩…先へ行って
また1歩…
一緒に歩いたら
あなたと私の距離が
1歩離れてく…
このまま一緒に歩いても
いつか あなたが見えなくなるのかな…
そっと あなたの背中につぶやく。
冷たい 強い風が
ヒューっと
耳元を通り過ぎた…
少し視線を上げた先に
私を見つめる
あなたのつま先と
私を待ってる
あなたの手のひら
じんわりと あなたの優しさが
私に溶けていくみたい…
そっと繋いだ手に
ぎこちない
あなたの歩幅…
きっと 幸せって
こんな風に
あなたの隣を
同じ速さで歩いていける
ただ それだけのこと。
ぎこちなく歩く
あなたの歩幅に
そんなことを想って
幸せを そっと かみしめるの…。
- ふたつの歩幅 -
「初日の出見ようよ」
寒さが苦手な
眠気だけ残る
僕の身体を揺さぶりながら
君の声で目を覚ます。
ベランダに出て
少しずつ黒から青に変わる
空を眺めながら
楽しそうに話す横顔と
あくびと一緒に漏れる 適当な相槌
二人…暖かい大きなブランケット
気がつけば東の空からのぼる
オレンジの光に包まれていく
まっすぐを見つめた君の横顔に
愛しさと幸せの意味を重ねた
ずっと一緒にいれますように…
そんな くすぐったい
気持ち隠すように
あくびと一緒に
白息になって
眩しい朝焼けに消えていく…。
- 幸せの意味 -
ソファに座って
君がページをめくる
ファッション雑誌の誰かに
何の気なしにもれだした
褒め言葉…
不機嫌になる君。
悪気はないんだ…
でも 僕だって
同じこと言われたら
きっと 嫌だろうな…
そんなこと思いながら
君の好きモノ
たくさん詰めた
コンビニの袋を持って
ドアを開ける。
さっきは…
そんな言葉を遮るように
あの人ほどじゃないけど…
少しだけ うつむきながら
そう言って 笑う君の頬に
オレンジ色のチーク
なんだか大人びて
だけど いつもの
あどけない 笑顔が
甘い一粒みたいに
じんわり 溶けて
頬を緩ませる。
とっても かわいいよ…
レース越しに差し込む夕陽と
恥ずかしそうに微笑む
甘い 愛しさのオレンジが
とても綺麗な夕方の話。
- 夕陽とみかん -
両手を擦り合わせて
寒い 寒い…
って小言を言いながらも
内心 まんざらでもない
私の小さな 甘え言葉。
そんなことを
知ってか 知らずか
あなたが差し出した
右手だけの手袋に
片方だけ?
なんて戯けてみたりして
あなたのぬくもりが残る
手袋に手を入れる。
1…
2…
3…
車道側を歩く背中が立ち止まって
はい…
って前を向いたまま
あなたの右手が横に伸びる。
不器用だなぁ…
でも 包み込まれるように
そんな優しい あなたが
私は好きなんだ…。
- one... two... three... -
向かい合った平行線をみつめて
君と僕を並べる…
何でも話せる
男友達だと笑う君と
当たり前だろ
そんな言葉に
後ろめたさを
詰まらせる僕。
最初からわかってたんだ…
まるで LIKEとLOVE
同じ意味に聞こえても
かけ違えてたら
ズレていくボタンのみたい…
君を知れば 知るほど
友達じゃいられなくなる
きっと 男と女の中に
純粋な友情なんて
存在しない…そう思うんだ。
- My girl friend... -