春小豆

Open App
1/21/2023, 11:24:27 AM


時計の針は午前2時をさしていた。

やっと終わったな…
明日までの締切をなんとか
終わらせたところだ。

これから寝ても数時間しか
眠れないし…
もうダメな日かな…

街灯に照らされた窓を見て
ハッとする。
そういえば、洗濯物を入れてなかった!

本当に今日はダメな日だ…!
洗濯物を急いで取り込みに行く。

あ……

まっしろな息と共に零れた声。

夜空に星が流れた。

一瞬だったけれどたしかに見えた流れ星。
洗濯物を抱え寒さを忘れて空を見た。

ひとつ、ふたつ…みっつと
流れ星をとらえた。

こんな時間まで頑張らなければ、
洗濯物を取り込み忘れなければ
この流れ星を見ることは
なかったかもしれない。

そう思うときっとこの夜は

__特別な夜

1/20/2023, 2:54:19 PM


人魚姫は広い海の泡に
なってしまったけれど

きっと愛する王子様を生かして
海の泡になった慈悲深い人魚姫は
海の底でひとりのあなたにも
陽の光を届けてくれるように
微笑んでくれるでしょう


__海の底

1/19/2023, 3:59:58 PM


だいすきな君とのデートは
何度目だって心がおどる。

だから、ひつじたちを数える
時間なのに、ベッドの上では
ファッションショーが開催中。

悩ましいけどこれで決まり!
君の好きな色…だと思うワンピース。
だいすきな君の前では
世界一カワイイ私でありたいから。

さぁ、ひつじを数えよう。

…とはいえ!遅刻しそうなのは
ちょっと違う!!
ひつじたちもそりゃそうだって
笑ってるかな。

待ち合わせ場所に小走りで向かう。
だいすきな君のもとへ。

「走ったら危ないよ」

君はわたしを見つけるなり優しくそういうけれど、しかたないじゃん、
だってこの気持ちでいっぱいだから


__君に会いたくて

1/18/2023, 3:50:52 PM

「片思い日記」
と、ピンクの文字で書かれたノート。

それはわたしがおさげとリボンを
丁寧に結ってた年頃。
ひょんなことから
クラスメイトに恋をし、
始まった日記だ。

毎日、毎日、彼のことを想って書いた日記。

今日は、おはようを言って貰えた!
さいこーについてる日!
なんて些細なことでも
大喜びをしていたわたし。
思い返せばとても幸せだったと思う。


しかし、ある日からその日記を
開くことはなくなった。

彼が遠くに引っ越すことになったから。
わたしは日記とともに気持ちを
閉じこめてしまったんだと思う。
だれにも見せることなく。

いつの日か、その日記が開けたなら…
と心のどこかで
ぼんやり日記のつづきの夢を見る。


__閉ざされた日記

1/17/2023, 1:50:36 PM

黄に染まった葉っぱたちが
枝から空へとつれられて、

舞って踊って地に落ちる。

落ちた葉っぱを集めて、
おイモでも焼こうか。

冬が来るよと教えてくれる。


__木枯らし

Next