あお

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7/8/2023, 10:26:35 AM

高いところから見た街中の景色って、
たくさんの建物の明かりが満点に光ってすごく輝いて綺麗に見える。
それは私が幼い頃に描いていた無数の夢みたいだった。

時間が経てば経つほど建物の明かりは消えて街中は暗闇に満ちる。
街灯の小さい光だけが灯っている。
それは今の夢の数。

『街の明かり』

7/7/2023, 10:45:38 AM

最後に笹に短冊を飾ったのなんて、何年前の話だろうか。
願いは信じても叶わないと信じたのはいつ頃からだっただろうか。思い出したくもない。
10年前の今日、七夕の日に仲良しだった幼馴染が、「二人でお願いごとしよ!」と1枚の短冊を渡してきた。
幼馴染が持っている短冊は水色。私の短冊は桃色。
お互いの好きな色だった。
元々お互いそういうことをやるタイプでは無かったのだが、突然どうしたんだろうと思う程度で気にせず言われた通りに短冊を書いた。
私のお願い事は、「幼馴染と一緒に居られますように。」だった気がする。
短冊をふたりで書き終えた後幼馴染の短冊の内容を聞いたけれど、「私のはいーの!」って感じで背中を押されながら元気としか言いようがない声で言われた。
そして、短冊を笹に飾った。彦星と織姫に届くように、無理して高い位置に飾った。
幼馴染は、私の短冊と正反対の所へ飾った。今思えば私にバレないようにしているのだと手に取るようにわかる。
でも10年前の私はそんなこと気にしてもいなかったから、そのあともふたりで笑いながら1日を過ごした。
ずっと一緒に笑っていられると思っていた。
時が経ち、9年前の今日。
また幼馴染から「今年も短冊書こ!」と昨年同様桃色の短冊を渡してきた。
幼馴染も水色の短冊だった。
「ねえ、昨年はなんて書いてたの?」
「今年と一緒!」
「今年はお願いごと教えてよー、」
どうしても教えて欲しくて半ば諦め状態でそう言うと、口元をもごもごとさせ何かを迷っていた。
疑問に思っていた時、幼馴染は何かを思いついたようにあっと口を開けた。
「私の誕生日にこれを見て!」
何故?
そんなことを思ったが、口をつぐんだ。こくりと頷くと、幼馴染は短冊を折りたたみ私のカバンのポケットにぽいっと入れた。
「絶対だからね!」
大きく声を上げた幼なじみの表情は、今でも頭に刻み込まれている。

✳✳

ついに幼馴染の誕生日が来た。
正直な話誕生日が来る前に見てしまおうかと思ったけれど、約束してしまったからにはきちんと約束を果たした。
何故か心臓が早く鼓動する。
自分に不思議になっていたけれど、そんな自分を置いて折りたたまれた短冊を開いた。幽かな紙の音がする。
「病気が治りますように。」
そう悲しげな字で綴られていた。
衝撃で全然信じられなかったが、これは正真正銘の事実だった。この言葉を信じたくなかった。
急いで幼馴染の家に駆け出して話を詳しく聞いた。
幼馴染の最後の言葉のせいで、ほかの内容は覚えていない。
「私、あと少しでしんじゃうんだ、」
いつもの溌剌とした声はなく、声は震え、悲しさや寂しさに包まれていた。
最後の最後まで本当に信じたくなかったけれど、こんな初めて見る幼馴染を前にしては問いかけの声すら出ない。
嫌だってハッキリと思った。
なんで神様こんなことをするのって、 こんな時だけ神を信じていた。
家に帰ったらお母さんに抱きつきながら顔をぐしゃぐしゃにするくらい泣いた。
ただ私は幼馴染が生きることを願うことしか出来なかった。
こんな自分が惨めで仕方がなかった。

幼馴染との七夕は、もう来ることがなくなった。


『七夕』

7/6/2023, 11:12:55 AM

同じ小学校で、同じクラスで。何百人といる全校生徒の中から、仲良くなったのが私で。
友だちと出会ってからというもの、くだらない事で喧嘩して、仲直りして。楽しく笑いあって喜びあって。
少しでも違う人と友達になっていたり、私の性格が違っていたら。
友だちとは、もしかしたら絡むことの無いただの他人だったかもしれない。
この普通のようで普通では無い日常がとにかく幸せだと感じている。
今の友だちと、何年先まで一緒にいられるか分からない。いつか大人になって、友だちとの思い出も色褪せるかもしれない。
私がここに書いた思い出全てが笑いばなしや昔の思い出話にできるくらい、これからもできる限り一緒に笑いあっていたい。
それが私の単なる願いなのだから、今年の七夕のお願いは、いつまでも一緒にいられますように。かな?
……でも。

未来に願うこともいいけれど、今も過去も、大切にしていかなきゃね。


『友だちの思い出』

7/6/2023, 1:26:24 AM

田舎町。

街灯もすくないこの田舎に、夜空満面に広がる星たちが夜道を歩く私を照らす。
大好きな星空を鋭く見つめる度、あまりの綺麗さに心が簡単に奪われる。
毎日辛さを感じていようとも、星空を眺めるだけで指先からつま先まで全身が癒されていく。
今日の出来事をぼんやり思い出しながら、夏の星座を一つ一つ探し出した。
辛い現実を目の当たりにする度、いつも昔に戻りたいと願ってしまう。私がいくら戻りたいと願っても、時間は止まりも戻りもしてくれない。
今夜の星の位置さえも昨夜とは同じようですこし違う景色だ。未来と過去に挟まれながら星も私も今を時間とともに歩いてる
明日しか見られない星空は、今日とどう違うのだろう。


『星空』