「さよなら」を言わないでほしい。
せっかくこの広い世界、広い日本という島国で出会えたのだから。そんな、もう2度とこの先会えないような言葉を言わないでほしい。
そう願っても、自分から離れた方が良いという決断をすべき日も来てしまう。
仕方ないと思っていても、どこか寂しいと感じてしまうのは、やっぱり相手と私の感情の差があったからだろうなぁ。
一人暮らしでまさかの病気。
自分以外だれも居ない部屋で響くスマホの音。
「大丈夫!?病院行ったの?」
「欲しいもの無い?送るから言ってね。」
「今の体調はどう??」
何度も送られてくるメッセージ。
喋るのも返信するのもしんどく、正直に言うと面倒くさいという感情がふつふつと湧き上がってくるが、それでも心配そうな母の顔も容易に浮かぶ。
何とかスマホに手を伸ばし、今は「大丈夫」だと返信をする。
前まで看病してくれた人と、こんなにも物理的な距離が空くと寂しいものなのか。なんて問い掛けながら、息苦しい中でひとり、眠りにおちる。
大好きな憧れている先輩と話すたびに
胸の鼓動が高鳴った。
楽しそうに笑っていて、私も嬉しくて、優しくて、面白くて。
それでも、「心を亡くして忘れると書く」という文章を
読んでから、きっと先輩の幸せを願ったこともいつか、
心を亡くして忘れてしまうんだろうな。
少しばかり小さくなった鼓動を寂しく思った。
置き配が盗まれた。
大好きなアーティストさんのCDと雑誌数冊。
怒りよりも先に、盗みましたという一報くらいくれてもいいじゃないかと思う。ふざけるなという怒りに重なって起こる不幸。災難、いつも毎年秋になる前に悪いことが起きると、心の灯火が消される様な辛いことばかりで目を閉じる。
それでも、辛すぎて心の灯火が消えそうになる度に掬い上げてくれる家族や、友達がいることを改めて実感できる良い機会だとも思う。
たまたま出会っただけ。
テレビ越しに映る貴方があまりに素敵で、気がつけば目を奪われていた。演技の仕方も、貴方自身の話し方も何もかもに惹かれ、気がつけば私の心に住み着いていた。
嬉しかった。近頃、何かに情熱と愛情を注ぐことに疲れて、全部「どうでもいい」で済ませていた中で、人生は楽しいぞと言うように笑う貴方に出会えた。
人生で初めて、コンビニで写真を印刷して壁に貼った。
楽しそうに笑う貴方が、突然私の心に訪問してきてくれて嬉しい。静かにひとりぼっちの部屋で写真を見つめては微笑む。
これから先、どうか幸せに生きてほしいと願いながら、笑う顔の輪郭に指を添えた。