ミヤ

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7/5/2025, 6:57:49 AM

"青い風"

若竹色、青竹色、老竹色。
目にも涼やかな緑の間を風が吹き抜ける。

しなやかに揺れる竹の、サラサラという葉擦れの音に耳を澄ませる。
真っ直ぐに伸びた緑が天を覆い、
足元には葉を透けた光が淡くゆらゆらと。
外の喧騒は遥かに遠く、
まるで別の世界にいるかのよう。

夏の暑い時期になると、無性にあの竹の小径で癒されたくなる。

7/4/2025, 7:36:31 AM

"遠くへ行きたい"

どうしてもここがいい、ここにしか居場所がないと泣くのなら。
きみはどこにも行かなくていい。
僕がこの場を去るから。

きみが望む輪の中に僕は要らないから。
誰かを追い出してまで、この場所に留まる理由を見つけられない。

きみが執着した全てに興味が無いが故の選択を、
その無関心さを、
きみは傲慢と呼ぶのだろうか。

7/3/2025, 4:23:12 AM

"クリスタル"

琥珀色のウイスキーが注がれたロックグラス。
清酒の入った切り子のぐい呑みやお猪口。
酒蔵の方には申し訳ないけど、酔わない性質だから、正直、種類や味よりも容れ物の方に意識が向く。
さりげなく粋な細工の施されたグラスが出てくると、おお…、としばらく見惚れてしまう。

7/1/2025, 11:19:50 PM

"夏の匂い"

氷水につけて冷やされているラムネ瓶。
栓をしているビー玉を落とすと、勢いよくあふれ出すシュワシュワした炭酸の泡とラムネの匂い。

瓶を傾けると、カランと鳴るビー玉。
昔、あのビー玉を取り出すことに執念を燃やす人がいたっけ。
こっそり金槌を持ち出して首尾よく割ったはいいものの、硝子の破片で手を切って血だらけになっていた。
どうしようとオロオロしていたから、とりあえず傷口を流水で洗い流して、止血して。
内緒だと涙目で訴えていたけど、当然バレて大目玉を食っていたなぁ。

後日、応急処置のお礼だと、手に入れたビー玉を見せてくれた。
日にかざしたビー玉は確かに綺麗だとは思ったけど、あの情熱は正直分からなかった。

6/30/2025, 3:31:09 PM

"青く深く"
"カーテン"

春のやわらかな朧夜から、より青く深く。
夜の帳が下りた夏は鮮やかで、どこか騒々しい空気に満ちている。
夏至祭の篝火だったり、彩り豊かな花火や祭りのイメージが強いからかもしれないけど。
だからこそ、梔子や夕顔、月下美人など、そんな夜の青に染まらぬ純白の花びらが際立って印象深く感じられるんだろうなぁ。

-the curtain of night (夜の帳)

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