"今を生きる"
遺骨ペンダントの作製を手伝ったことがある。
入れ物を用意して、火葬後の骨を少量頂いて、道具もきっちり準備した。だけど、いざその段になると、
どうしても粉骨が出来ないから手伝ってくれと知人に懇願された。
骨のかけらを油紙に包み、白い布越しに押すと、殆ど抵抗なく砕けた。
高熱で灼かれた骨はひどく脆い。
箸でも割れるくらいだもんな。
真っ白な骨の粉をさらさらと容器に納めて、二度と開かないように封をした。
"We therefore commit his body to the ground, earth to earth, ashes to ashes, dust to dust. "
土は土に、灰は灰に、塵は塵に。
本来なら遺骨は墓の下、大地にゆだねるのがいいのだろう。
でも、ペンダントを握りしめてはらはらと涙を零す知人を見て、今を生きる者のためにこんな形の慰めがあってもいいんじゃないかと思った。
7/20/2025, 11:30:33 PM