何度も傷つけられた人生だ。何度も傷つけた身体だ。
なのになんでまだ私はここに居る?
自分の気持ちを押し殺して、感情をださず、只々人に合わせるだけ。なんて言われようと何をされようと夏草のように私は無駄に強く生きてしまう。
あの人がいる限り私は強く醜く生きる。
また来るからね。そう言って帰ってこないけど、きっといつか来てくれる。そう信じてる。周りの目なんて気にしない。
あなたが帰ってくるまで、私はしぶとく生き続ける。
僕の初恋の話をしたい。
初恋したのはちょうど小学生に上がる前日の日だった。
僕は母と公園に出かけていた。その時トントンと肩を数回叩かれたのだ。誰だろう?と思い振り向くと全く知らない女の子だった。その女の子は、ねぇ…ひとり?あそぼ!と話しかけてきた。僕ひとりじゃないよ。後ろをパッと振り向いたあとまたその子に視線を戻し言った、ほら!ママがいるでしょ?女の子は不思議そうな顔をしながら言った、君には誰か見えてるの?そして続けてこう訪ねた。なんで靴履いてないの?と。僕は自分の足に視線を向けた、そこには素足のまま何かが付いてる僕の足があった…あ、そうだった、僕ひとりだ。
女の子はまだこちらを不思議そうに見ている、僕はこう言った。君は僕が見えるんだね、じゃあこっちにおいでよ、
僕は初めて興奮した。一目惚れした子が、僕と同じ。車に轢かれ足がぐしゃぐしゃになっているのだから。
…君も素足のままじゃないか。僕は君の血だらけになった足を見ながらニコッと笑いかけた。
もう疲れた。そう思って今日もカッターに手を伸ばす。
切れた皮膚。流れる血液。これで生きてる実感を得る。
でももう、実感は湧かなくなった。感情がいろんな色になって、最後に黒く、もう戻らない色になってしまった私はもうこの世から必要とされてないもののように感じて、永眠すれば、全てから解放されるって自論を1人の世界で造り上げた。
このプロジェクトが終わったら飛び降りよう。あの飲み会の後に。あの人に想いを伝えた後に……
決意したはずなのに、あと少しだけ、あとちょっとだけ人生を進めてみようとする。人生はゴールが見えない。それは違う。ゴールを決めれない。人間に欲望がある限り、人生にゴールをつけることはとても難しいのだ。
初めて、ここまで堕ちてやっと分かった人生の意味。
私は、もう一歩だけ人生を進めてみることにした。
しかし、もう一度軌道に乗せるのは難しかったのだ。
ぼぅーっと道を歩いていく。街灯に引き寄せられるように次から次に知らない景色が出てくる。
あれ?こんなとこあったっけ?自分の感覚では軽く5分くらいふらっと歩いたつもりだったのに、そういえばなんで知らない景色?徒歩圏内のはずなのに、1人ぽつんと知らない街。
まるで、飛んで火に入る夏の虫のように、光に吸い寄せられた私はもう戻れない。そんな何かの主人公のような事を思いながらスマホの地図を見る。そこにはこう記されていた。
自宅まで徒歩3分。
パッと一瞬一筋の光が刺したかのように空が光った。
まるで天国からの迎えがきているかのようだった。
その数秒後今度はゴロゴロと空が何かを訴えているかのように鳴った。
その声は、まだこちら側に来るのは早いと言わんばかりの音だった。
今日も変わらぬ景色の中で、こんなにも私の心を掴む空模様はなかった。病室の窓の外を眺めて私は思う。
ここまで、天使が迎えに来てくれないだろうか、私に最初で最後のスポットライトを天から当ててくれないだろうか、と。そう考えては、涙が止まらなくなり気づいたら、また変わらぬ景色がそこにあった。