紫雨

Open App

僕の初恋の話をしたい。
初恋したのはちょうど小学生に上がる前日の日だった。
僕は母と公園に出かけていた。その時トントンと肩を数回叩かれたのだ。誰だろう?と思い振り向くと全く知らない女の子だった。その女の子は、ねぇ…ひとり?あそぼ!と話しかけてきた。僕ひとりじゃないよ。後ろをパッと振り向いたあとまたその子に視線を戻し言った、ほら!ママがいるでしょ?女の子は不思議そうな顔をしながら言った、君には誰か見えてるの?そして続けてこう訪ねた。なんで靴履いてないの?と。僕は自分の足に視線を向けた、そこには素足のまま何かが付いてる僕の足があった…あ、そうだった、僕ひとりだ。
女の子はまだこちらを不思議そうに見ている、僕はこう言った。君は僕が見えるんだね、じゃあこっちにおいでよ、
僕は初めて興奮した。一目惚れした子が、僕と同じ。車に轢かれ足がぐしゃぐしゃになっているのだから。
…君も素足のままじゃないか。僕は君の血だらけになった足を見ながらニコッと笑いかけた。

8/26/2025, 2:08:19 PM