逆さま
人は私を強いと言う
大抵の人はそうだ
たった1人
たった1人だけ
私の事を、
強くなんかないくせに
強がるな
何でそんなに1人で抱え込もうとするんだ‼︎
俺ってそんなに頼りない?
何で俺に頼らないんだよ‼︎
と、言い続けた人がいた
それが私が今までで1番最も愛した彼だ
彼だけは、人と逆さまの事を言い続けてくれた
ちなみに番外編で、
お前は強くならざるを得ない環境で育っただけだからなぁ
強くもないのにと言ってくれた人も1人だけいた
(関係性はただの仲良いお兄さん)
もう1人、長年ストーカーしてるあいつは私の事を1人でも生きていける強い人と言い切る
お前は長年ストーカーしてるのに、何も分かってないのな
何十年も全く相手にされてもないのに、それでも好きだ好きだと言い挙句ストーカーまでやってるお前のその図太い神経こそ、強い奴だと思うわ
泣かないで
私の周りの男友達はよく泣く
私の前で
実際奴らは絶対泣きそうには見えない奴らばかりだ
全面的に強い男を押し出しまくりの男達だ
なのになぜか私の前では泣く
女を泣かせてしまった時の男のように、
最初の頃は私も毎回おろおろしてた
泣く理由は女の事もあるけど、
仕事とか友達とか親とか(端折り過ぎ)将来の事とか様々だ
私の前で泣く1番の理由は、
後日人前でこの前こいつ泣いてさーと笑い話しにしたり、
彼らがいない所で泣いたんだよーと言ったりしないからなんじゃないかと思う
そして、その日がなかったかのように過ごすからなんじゃないかと思う
一切触れない
男って彼女や奥さんの前では格好つけたいし、
男友達には弱味見せたくないし、
でもどっかで吐き出したい
それに丁度私は適した奴なんだろうと思う
泣く女は嫌いだと男はよく言うけど、
泣く男も大概よ?
泣かないで
とりあえず、涙を拭くティッシュは差し出すべきか?と未だに悩んじゃうんだから
正解が未だ不明
冬のはじまり
何十年振りだろう?彼の夢を見たのは
設定は現在
覚えているのは、
映画の主人公のように3ピースのスーツを着崩した彼と話しながら歩いてる場面だ
彼は背も高くスタイルも良いから、
あぁやっぱり格好良いなぁ…
当時も今も服のセンスは抜群に良いなぁ…
やっぱり好きだなぁと見惚れながら話してる私
あぁ、この目だ
いつもこの目で私を見つめてた
懐かしい
私以外を見る時とは、全く違う目
愛おしいそうに幸せそうに照れくさそうに、いつも微笑んでくれてた
彼は私を好きなんだなと実感するこの目
それなのにどうして愛が足りないと私は言い続けてしまったんだろう…
そう思った瞬間、夢なのに
夢だと分かっているのに
胸が締め付けられて、無理矢理飛び起きた
夢の中と現実の自分が入り混じって、
たくさんの愛情をくれたのに信じ切れなかった自分に嫌気がさして
顔を合わせる資格もない
微笑まれる資格もないと、夢でも自分が許せなくなり現実に戻った
本当は永遠に目覚めなくてもいいから、彼を感じていたかった
あんなに誰かを愛する事は二度とない
前回の続き
マイケルと一杯飲んで来た
素直にこの前何を話したか覚えてない、
連絡先を交換するのも好きではないのに何でしたのか…?と私
大した話しはしてないよ、
それに連絡先を教えてと言ったのは僕だと彼は言った
年は彼の方が上だった
英語が話せない私は翻訳アプリを使いながら会話した
って言っても分からない単語は遺伝子的何とかと、科学的何とかぐらいだったけど
彼が携帯を使う時に見えた、ふと見えた待受
それは小学生くらいの男の子だった
〝何だ、既婚で子持ちかよー
面倒くせぇなぁ…〟
〝あなたの子ども?〟
〝そうだよ〟
私はそれ以上の事は何も聞かなかった
好きな場所、好きな食べ物がたまたま同じだったから、
話は弾んだ方だと思う
年も違うし、生まれた国も、話す言語も違うのに、
好きな物が同じと言う事で話すのは何とかなるものだなぁ…
彼はよく話してくれた
と、言うかアジアの男性と違って見た目や年の話しは一切しないし、マイケルの国の人はいつも先に私の意見を聞いてくれる人が多い
その点は素直に嬉しい
どう言う流れだったか忘れたけど、
僕たちは離れて暮らしている
子どもは妻といる
もっと正確に言うと離婚して、妻ではなく元妻だと言うマイケルの話しになった
あぁ、だからほとんど休みなく(子どものために)働いてんのかと理解した
他にも聞いたけど、
男女の関係にどちらかだけが悪いと言う事は殆どないと思っているので、全てを信じる事はできないけど
でも聞いた話しだけだと、ひっでー話しだった
何ならマイケルもこう言う結果になった理由が、未だに分かってなさそうだった
マイケルに対して、正直何の感情もない
ただ、楽だ
緊張もしなければ、構える事もない
何なら見た目は全くタイプではない
やっぱり見た目だと、今でも断然一目惚れの彼がいい
彼の前では少し緊張するけど
まぁ飲んだ時間が楽しくなければ、もう連絡はないだろうと思っていたが、普通に連絡は来た
何なら手料理作ってくれるみたい
もう恋を何年もしてないせいか、
恋の始まりも
人を好きになる方法も、
自分の感情も忘れた
柔らかい雨を見つめながら、
マイケルって何で連絡して来るんだろうなぁと思う今日この頃
いつも出会って一カ月で好きになるか、ならないかが決まって来たから、今回は違うのかもなぁ…
朝起きると、
マイケル(仮名)です
今日はありがとうございました(^^)とラインが…
覚えてない…
これはいつもの事だ
どうやらいつものごとく、また飲んでる時に連絡先を交換したんだろう
着信履歴を見ると、昨日飲み始めた時にはなかった名前が並んでる…
私はラインを交換するのが苦手だ
連絡を取らない人間が永遠に増え続ける事が嫌いなのだ
ブロックしても偶然会うと気まずいし、ラインは1年に1度アカウント削除する
それが面倒でラインの交換はしないようにしようと、自分の中で誓ったところだ
ちなみにSNS系はしてないので、DMで連絡は選択肢にはない
酔ってもその誓いを守ったんだろう
だから着信履歴に知らない名前が増えてる
電話番号だと電話して来る人、テクストして来る人がいないから(日本ってテクスト文化ないけど)
最近は番号を教える事にしている
なのに、何でマイケルにはライン教えたんだっけ?
あー、英語話すの面倒で教えたんだっけなぁ…?
てかそもそも何話したのかもまっっっっったく覚えてない
何なら顔も
陽気な人だった気するけど
隣に女いたような…
マイケルと私が盛り上がって、すっげ嫌そうな顔してたのは覚えてるw
たまに連絡来るから、今度飲みに行く事にしたんだけど
久しぶりの英語は、受け取り方に悩む
楽しみだとも言えるが、早く会いたいとも言えるなとか…
マイケル、ごめん
私、本当何も覚えてない
マイケルには言えない、これがもう一つの物語