【明日世界が終わるなら】
学校のチャイムが鳴る。
ホームルームが終わり、教室には私一人だけとなった。
なぜ帰らないのかって?
私は待ち合わせの時間まで
ここで暇を潰しているからだ。
窓から見える校庭を見ながら
「…告白とか…じゃないよね??」
とかボソッと声に出してしまった。
??「だったら、どうする??」
と低い声で誰かに言われ振り向く
「え……?う、うそだよね??」
この学校で1番人気の男子生徒。
Kくんだった。
「嘘じゃなくて、ホントだよ。罰ゲームとかでもない……本気だよ、小さい頃からずっと……」
と、頬を赤らめながら私に告白してきたのだ。
確かにK君と私は幼なじみで小さい頃
一緒に遊んだりもした仲だ。
「……私なんかで良いの?」
と返事をすると彼は頷いて手を握ってきた。
「明日世界が終わっても、君と一緒にいたい」
と言われた。
ちょっとキザなセリフだけど、私はOKをだした。
【耳を澄ますと】
私の家は都内からすごく
離れた場所で暮らしている。
近くに公園があるのだが
そこから子供たちの声が聞こえる。
「いい天気だなぁ〜」
今日は5月5日こどもの日
こいのぼりや兜を
飾っているのだろうか?
あっという間に時間が経ち
外も暗くなってきた頃
耳を澄ますと
虫の声も聞こえてきた。
「もうすぐ夏になるのねぇ」
と母の独り言が聞こえた。
【二人だけの秘密】
今日も暑い日が続いていて
私はゆでダコになりそうな感じだった。
「ただいま〜」
声をあげて玄関で靴を脱ぐ。
ニャーという声も聞こえて
飼っている猫が迎えてくれる。
階段からドタドタと降りてくる音も聞こえ
さっきまで寝ていたのか寝癖がついている
犬も迎えてくれた。
私の癒しの2匹のペット。
そして、出迎えてくれたと思った犬は
また自分の寝床に戻っていくのであった…。
(そういえば、冷凍庫にアイスがあったよなぁ…)
と思いリビングに
通学バックを置き冷凍庫を漁る。
「あ、あったあった!」
私の大好きなアイス。
パッケージから、取り出し口に含む。
「んーっ!冷たくて美味しい!」
ふと、目線がこちらを見ているのに気づく。
「ニャー!」
「あ…手と口を洗うの忘れてたね笑」
じーっと見る猫。
「…ふ、二人だけの秘密ね?」
と言って家族に内緒で
猫にチュールをあげたのは
言うまでもない。
【優しくしないで】
飼い主はいつも僕じゃなくてあいつを撫でる。
僕より賢いし、飼い主の言うことを聞く。
反対に僕は気まぐれな性格で、
やる時とやらない時の差が激しいのかもしれないけど、
そこは僕の可愛い所…でしょ??
僕だって寂しい。
遊んで欲しい時だってある。
だから、今日は振り向かせる為に
お気に入りの猫じゃらしを持ってった。
でも…
飼い主は見向きもしない。
「ニャー…」
声を掛けても、振り向いてくれない。
時間経ってから
僕に優しく接してきた。
僕は嫉妬した。
猫の僕より、犬のあいつが良いんだろ!
「シャー!!」
僕は、猫パンチを繰り出した。
飼い主は、びっくりして悲しい表情をしたが僕は知らない。
窓が少し空いていたので、いきよいよく飛び出した。
何日経ったか分からない。
目が掠れている。
よく見えない…。
聞いた事のある声が聞こえる。
耳をそっちに傾ける。
どんどん近くに来ているように聞こえる。
「……ニャー……」
優しく何かで包まれる。
暖かい手で頭を撫でられる。
優しくしないで。
僕は、悪い子だよ?
なんで、優しくするの?
優しくしないで…
優しくされたらまた好きになっちゃうじゃん。
【カラフル】
どんな色が好き?
赤色?青色?黄色?
紫とかオレンジも好きなのかな?
私はね…
元気な時は、黄色。
落ち込んでる時は青色。
恋をしてる時は…ピンク。
そう、色んな色をしている君が1番好き。