【優しくしないで】
飼い主はいつも僕じゃなくてあいつを撫でる。
僕より賢いし、飼い主の言うことを聞く。
反対に僕は気まぐれな性格で、
やる時とやらない時の差が激しいのかもしれないけど、
そこは僕の可愛い所…でしょ??
僕だって寂しい。
遊んで欲しい時だってある。
だから、今日は振り向かせる為に
お気に入りの猫じゃらしを持ってった。
でも…
飼い主は見向きもしない。
「ニャー…」
声を掛けても、振り向いてくれない。
時間経ってから
僕に優しく接してきた。
僕は嫉妬した。
猫の僕より、犬のあいつが良いんだろ!
「シャー!!」
僕は、猫パンチを繰り出した。
飼い主は、びっくりして悲しい表情をしたが僕は知らない。
窓が少し空いていたので、いきよいよく飛び出した。
何日経ったか分からない。
目が掠れている。
よく見えない…。
聞いた事のある声が聞こえる。
耳をそっちに傾ける。
どんどん近くに来ているように聞こえる。
「……ニャー……」
優しく何かで包まれる。
暖かい手で頭を撫でられる。
優しくしないで。
僕は、悪い子だよ?
なんで、優しくするの?
優しくしないで…
優しくされたらまた好きになっちゃうじゃん。
5/2/2024, 4:21:12 PM