聖なる名前のその中に
母なる音色のA Iがある
扇風機の前で声を出す
笑ったキミを思い出す
予報にはない雨が降る
庭の花々が揺れている
陽の光りが差している
遠くにある虹を探して
エアコンが効いた車内
エスプーマのふわふわ
かき氷が恋しくなった
『今一番欲しいもの』
星に生まれた子ども達
似ているようで異なる
得意分野はそれぞれに
ひとつの物語を繋いで
いくつもの時を駆けて
成熟しているオトナは
怖がらせたりはしない
傷つけることをしない
人の痛みを知っている
私たちが生まれる意味
何処へ向かっているの
蒔いた種は育ってゆく
どんな花を咲かせるの
何千年もの旅の果てに
私だけ、のストーリー
『私だけ』
ひも、と呼んでいたそれを
片時も離さなかったらしい
あれがないと泣くんだって
それでは見た目が悪いから
困り果てた大きな人は私に
着物の切れ端で丁寧に作り
持たせたけど違うんだって
あれがないと泣くんだって
どうにかこうにかなだめて
持たせたんだ大変だったと
聞いた時にも側にはあった
中学生になる頃に母が言う
もう子供じゃないんだよと
部活から帰宅した日のこと
ひも、は捨てたと母が言う
その日からひとりになった
寂しい気持ちはあったけど
もう子供じゃないのだから
何年も過ぎてから母が言う
実は捨ててはいなかったと
駄目なら渡すつもりだった
お母さんの作戦成功したわ
嬉しそうに笑っていたから
風鈴が涼やかな音で鳴った
吹く風は花の香りがしてる
『遠い日の記憶』
ステンドグラスの光
珈琲に溶けた虹の色
いつか見たサヨナラ
キミは青色に染まる
寂しくなんかないさ
この場所も悪くない
ボクの強がりは顕在
運命の輪がカチリと
音を立てた覚えてる
煙草を燻らす横顔は
似合ってはいないよ
切り取られた景色に
キミの姿はそのまま
愛は見つかったかい
眩しいくらいの空は
小さな声で囁くんだ
いつもいつもいつも
『空を見上げて心に浮かんだこと』
ちいさくておおきな
どれくらいはいるの
しらないわからない
とりあえずつめこむ
もういっぱいなのに
ここからはみえない
くるしくなるまえに
とりださなければと
わかってはいるのに
もうやめたらいいよ
どこからかきこえる
やめたくないんだと
どこからかきこえる
ちいさくておおきな
ゆとりがうまれたら
ふわりととべるのに
『終わりにしよう』