黄色い花を咲かせては、白いわた毛をつけるタンポポの花。
いっそのこと
この気持ちも思い出も全部
風に乗せて飛ばしてしまいたい。
あなたの元へは届かないと分かっているけれど。
/花咲いて
異国で出会ったあの子。
名前も知らない。
年齢も国籍も何も知らない。
私と同じように旅行で来ていたのか、現地の人なのかも分からない。
言葉を交わした記憶もない。
ただ、ホテルのロビーで一目見たとき、何かを感じた。
翌日、ホテルのプールで再会した。
一緒に遊ぼうと言った記憶も、言われた記憶もない。
でも、気づいたら二人で楽しく遊んでいた。
水しぶきを浴びながらはしゃいだあの日。
あの子が日本語を喋っていたのか、他言語を喋っていたのかは分からない。
あの子の声を聞いたかも分からない。
だけど、確かに心は通じ合っていた。
言葉ではなく、何か別のものを介してコミュニケーションを取っていた。
確かに見えない何かで繋がっていた。
どんなにまた会いたいと願っても、私はあの子を知らない。
/遠い日の記憶
今でさえごくたまにしか会えないのに、
来年になったらもっと会えなくなる。
そう思ったら、胸がきゅーっとなって、涙が出てくる。
だから、いい加減あなたのことを考えるのは終わりにしよう。少しでもすれ違うことを期待するのはやめよう。
そう誓うのに、、、
結局、「こんにちは」と言われただけで気持ちがブワーッと溢れ出てしまう。
その一言で一日を生きれるくらい、大好きなんだなって気付いてしまう。
だから、嫌いになりたい。
好きでいるのはもうやめたい。
でも、遠くから見つけるだけでも幸せに感じてしまう。
そんな、
終わりのないループ
/終わりにしよう
"相対的"な自分ではなく、"絶対的"な自分でありたい。
見る相手で良くも悪くもなる自分よりも、
何が好きなのか。何になら夢中になれるのか。
自分の目標には何が足りないのか。
そこに目を向けられる自分になりたい。
/優越感、劣等感
数学は嫌いだ。
やってもやっても全然できない。
期末テストで25点なんか取っちゃってさ。
だけど、先生の一言で見方が変わった気がする。
「円はこの世に存在する最も美しい図形ですね」
数学の教師として数学をずっとやってくれば、円なんていくらでも目にするだろうに、それでも「美しい」と思い続けることができるその感性がどれほど素敵か。
純粋に数学が好きなんだろうな、とふと思った。
言われてみれば確かに、授業中先生の目はいつもキラキラしている。
楽しそうにしているのを見ると、こっちも楽しくなる。
これまではずっと、数学なんて「使わない」「意味がわからない」「学び甲斐がない」「解けて初めて面白いと感じるもの」と思っていたけれど、今の先生に出会ってからは、"学問としての数学"に興味を持つようになった。
先生の見ている世界を自分も見てみたい。
/これまでずっと