3/18/2024, 11:47:51 AM
『不条理』 保留
3/17/2024, 11:00:31 AM
『泣かないよ』 3月17日
「またいつか、絶対に会おうね」
目の前の少女が言った。
生温いだけの風がやんわりとカーテンを膨らます。
転校することはもう随分前から聞いていた。
彼女は新学期にはもうこの教室には帰ってこない。
やっとつまらない親友ごっこから解放される。
放課後にカラオケに連れて行かれたり、移動教室もトイレもずっと隣にいたり。今思えばこの一年、彼女に振り回されて散々だった。
二度と会ってやるものか、そんな言葉を飲み込んで地面を見ながら小さく頷いた。
見つめた地面にぽつり、雨が降ってきた。
また一つ、また一つ。小さな雫が染みをつくる。
「泣かないで」
彼女は言った。
泣いてないよ、泣くわけないじゃん。
前が滲んで床が曲がって見えた。
あなたぽっちじゃ、涙なんか出てこないんだから。
3/16/2024, 10:35:54 AM
『怖がり』 3月16日
傷つくのは怖い
大切な人がいなくなったり、誰かに見放されたり
だから傷つかないように生きてきた
空気が読めるようになった、作り笑いも上手になった、愛が見えないフリをした
たとえ、傷ができてもその傷口を誰にも見せてはならない
だって傷口は血で汚れてみすぼらしいから
こうやって誰かのせいで知らない私に染まっていくのが
私はただ、ひたすらに怖い
3/15/2024, 12:54:23 PM
『星が溢れる』 3月15日
何処かで星が溢れる音がした
と、と、からり
また何処かで溢れた
と、と、と、ころり
そして星達は音もなく地に吸い込まれて
何処かに広い、星の絨毯が敷かれた
静かな夜風がそこに寝転んだ
3/15/2024, 12:02:36 AM
『安らかな瞳』 3月14日
あなたは目を瞑っていた。
あなたがどんな瞳で何を見つめていたのか
それすら教えてはくれなかった。
あなたがその瞼を開けた時、
私はあなただけの瞳に捕まりたい。