人生無限の選択肢があるよと言ってみるものの私の未来への鍵はマスターキーじゃないから開かない扉だってある
それが自分が開けたい扉の時、私は泣くほど悔しがるのだ
今日はクリスマス、世間は浮き足立ちそこかしこから笑い声が聞こえてくる。人によっては大切な人とチキンやケーキなどを食べて楽しむのだろう。しかし、受験生である私にとっては何の関係もないことである。机に向かって真剣に参考書の問題を解く。この時ほど周囲に住宅街がなく閑散としていることに感謝したくなる日は今後訪れないのではないか、そんなことを考えながらひたすらに解き続ける。
そうやって勉強してどれだけの時間が経ったのだろうか、そんな時部屋のドアがノックされ開かれる。
「ケーキとコーヒー持ってきたから少しは休憩しなさい」
母さんが差し入れを持ってきてくれたのだ。
お礼を言って受け取り時計を見ると既に2時間は経過していた。
その事実を認識するとドッと疲れが襲ってきたので早速ケーキを食べることにする。
「美味しい」
糖分が脳を癒していくのを感じながらのんびりとケーキをつつく。
15分ほどかけてコーヒーまで飲みきって再び勉強に戻る。
さっきまでの疲れはどこへやら。まだまだ暫くは勉強出来そうであった。
夜は長い、この調子ならこの単元は終わりそうだ。
第1志望の受験の日、かつてないほど緊張していたのだがカラーンカラーンカラーンというベルの音で全て緊張は飛んでしまった。まさかテスト開始と終了の合図が1人の教授がハンドベルを手に鳴らして回るとは思っていなかった私はかつてないほどリラックスして試験に向き合うことが出来た。
あの音は私にとっての救世主であることは疑いようがない。
冬は一緒にコタツでのんびり過ごしたい。机の上にみかんの入ったカゴを積んでおいてぼんやりと時間を過ごしながら時に食べ時に誰かと会話し時に誰かとテレビを見て笑い合いたい。
アイスがあればなおのこと嬉しい。寒い日のコタツでアイスは至高である。とはいえ常に外に出しておくわけにもいけないから冷凍庫に入れておかなければならないため、食べるためには取りに行く必要がある。そのため時に一緒にコタツに入っている人と喧嘩になる可能性も秘めている。そう意味では諸刃の剣でもある。それでも一緒にアイスも食べられれば幸福は増すため寒さに耐えて私は今日もこたつの外の世界に踏み出すのだ。
愛を注いで欲しい。これまで誰からも愛されたことの無い私の唯一の願いだ。それでも愛されすぎるのも多分問題だ。何せ愛されたことがないからどこまでいくと溢れてしまうのかが分からないからだ。そして溢れるとどうなってしまうのかも分からない。だから少しずつでもいい。誰か私を愛してくれないだろうか