(制作中)
地平線の彼方まで続く緑の平原。
白とピンクのコスモスが、柔らかな風にその身を揺らす。
風と草が擦れる音。
白い小鳥の歌。
夜には星が空を埋め尽くすのだろうか。
厳しい冬の寒さに耐えた、小さく力強い命の芽吹き。
その生命の放つ柔らかい匂いが、
風に乗って僕らのもとにやってきた。
その言葉を言い終えた刹那、
軽快な破裂音とともに左頬に鮮烈な痛みが走り、
今ほどまで目の前にいたはずの女が僕の視界から消えた。
生きる意味が知りたい。
そう思い立った私は、旅に出た。
色々な世界を見て回った。
広々とした空に、海に、大地に、魂が打ち震えた。
出逢う人々に、人間も捨てたもんじゃないって思えた。
けれど、そこに生きる意味は見つからなかった。
私は仕方なく、諦めて帰ることにした。
私の故郷は、きっと世界に取り残されている。
空港から、バスを乗り継ぎ電車を乗り継ぎ、帰ってきた。
家に着くまで、人に甘えず自力で帰る。
これは当初から決めていたことだった。
「おぉ、帰ったか。おかえり。」
いつものんびりとしている父が
機敏な動きで玄関にやって来たのが
少しおかしくて、笑ってしまった。
妹がドタドタと階段から駆け下りてくる。
「お姉ちゃん、お土産ちょーだい!」
すごい勢いで抱きつかれて、私は少しよろける。
言葉と行動が、めちゃくちゃな子だ。
妹の頭を撫でながら前を見ると
サスケが父の後ろから現れ、もげるのではないかという
勢いで尻尾を左右にブンブン振っている。
あれ、私の家族ってこんなに愉快だっただろうか。
皆、私があちこち旅をしている間に
変わってしまったのだろうか。
わからないけれど
大切な人たちがこうやって
愉快に笑っていられる世界なら
もう少し生きてみてもいいかもしれない。
そう思った。
けん。
そっちはどうだい。
寂しくしてないかい。
そっちでは体はよく動くかい。
いっぱい美味しい物食べれてるかい。
じいちゃんには、会えたかい。
おれ、何十年かしないと
そっち行くつもりないけど、
それまでじいちゃんと仲良くね。
ほんじゃ、またね。