『空に綿雲』
雲が綿飴みたいだな 私はあれを独り占めする 屋台でみたドラえもんの綿飴何個分だろう? 何回お祭りできるだろう? 虫歯菌が私の奥歯に旗を立てるだろうな 作業開始の合図はなんだろう? いきなり激痛はごめんだな 独占は、、独り占めはよくないな 私がどくせん止めたら 独裁者もどくさい止めるかな?
止めてほしいな ぜひとも止めていただきたいな
雲を見て怯える世界なんてほんとにほんとにごめんだな
『夜の動物園』
夜の動物園は盛況だ ごった返すというやつだ あなたの部屋の本棚もそうだった もっというと洗濯カゴもそうだった あなたがいないと知った時、星の位置が少し変わって 泪の星座ができました じっとしているハシビロコウも同じ夜空を見ている気がして余計に淋しくなりました 淋しさだけじゃなんだからありがとうを足してみる この星で出会えた喜びでもひとつ星座ができました
『時にそれはナイフだ』
ほんのちょっと哀しくて 水に溶かしたカルピス
改札口で戸惑って 蜘蛛の巣散らして歩く足
部屋で寝転がるあなた 私のコップを洗うあなた いつしか不用意な優しさの奥にちらつくナイフが見えた気がした 温かいはずなのに冷たい 冷たさの中に不自然な温もり 私はそう遠くない日にあなたに切り裂かれる
『何色を生きる』
信号待ちで赤、青、黄色、 私は無色のカメレオン
色を選べる変えられるそんな私は幸せだ 幸福の色はなんだろう? パレットにアクリル絵の具の山ができる 極彩色のアルプス山脈 アルペン踊りをさあ踊るのか? 『信号、青に変わったよ。』って誰かが私の肩を叩いた さぁ何色を生きようか
『楽園の裏側で』
楽園の裏側で 秘密を持ち寄りアダムにあげよう
金色はやがて剥がれる傲慢な心 それを横目に僕は石膏ボードに虹を描く 道は確かに照らされて矢印までもが示される だけども誰もそこを通らない 転ぶのが怖くって 何より疎まれるのが怖くって怖くって
すぐそこにあるのに見ないふり 楽園なんてそんな場所があればどんなにいいだろうとお喋りしながら多くの人は枯れていく