野良猫

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7/30/2023, 12:03:37 PM

空を映すビー玉のような

海を閉じ込めたガラス鉢のような

当たり前の如く甘えてくる子猫のような

生まれたばかりの魂のように


キラキラした星のヒトカケラを拾い上げ

フゥーッと息を吹き込んで
紺色のビロードが拡がる空へ送り出す


嘘つきな僕には手に余る


軌跡を描きながら彼方へ飛んでゆく

君を眺めながら目を細めた




7/30/2023, 10:10:13 AM

この夜の向こう側に辿り着ける頃には

この嵐も泣き止むのでしょうか


額に滲む汗も

痛いほど胸を打ち続ける動悸も

鳴りやむことの無い耳鳴りも


全て消し去ってくれるほどの

優しい雨雲が覆い尽くしてくれるというのならば

嵐の夜も悪くはないのでしょう





7/29/2023, 6:31:31 AM

色とりどりの飴屋が並ぶ

面を被った店主が おいでおいでと手招きをした

ゆらゆらと昇りゆく
一面を埋め尽くす提灯たちが照らし出すのは

空を泳ぐ巨大な黒い鯨


ビードロを吹きながらはしゃぐ童たちの上を

ボゥーと、低い鳴き声をあげて
ゆっくりと凪がれていく


どこかで見たような

何か大切なものを忘れてしまっているような

そんな郷愁が、一陣の風となって
夜市を裸足で駆け抜けていった





7/27/2023, 7:45:33 PM

八百万の神々の 詔を賜ると

我こそが御使いぞと

八百万の民草もまた 口を揃えて宣った

信仰といふ偶像は 幾多数多の祈りを糧に

那由多の彼方まで膨らんで

それは光であり それは深淵でもあった

救いの手を求める者

されど畏怖の対象となる者

古今東西 移ろえど変わらず

その心見えず

己が心すらも見失う

7/26/2023, 3:04:08 PM

私という人物は御大層なものではありません

すぐに面倒臭がり放り出したくなるし

ちょっとしたことで腹を立てるし

正義か悪か、そんなことはどうでもよく
私というものに害なす者は簡単に呪うことだってある


なんの取り柄もありません

他人に嫉妬するほどの気力も失いました

未来への希望、ありません


そんな私でも

そんな私でも


世の理不尽なニュースには少しばかり憤るし

自ら命を投げ捨てた者の噂を耳にすれば
その人生を思い、少しばかり憂うこともあるのです



私の人生は御大層なものではありませんが

私に優しい者たちの人生が
少しでも幸せであればと
願うくらいの心はあるのです

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