苦しさが溜まっていく。頑張れない、誰もそれに気づいてくれないからわたしが怠惰だということにされる。
#やるせない気持ち
勉強しろ勉強しろ、とだけ言われて育ったわたしは、勉強できなくなった途端に失望された。にも関わらず、世間体を気にする母はそれでも勉強を強要した。それにわたしは疲れていたみたいだった。母が肉塊になっただけで、わたしは体の疲れが一気に流れ出た。気分が楽になったわたしは、肉塊を放ったらかしにして散歩をすることにした。
3時44分。世の中はとっくの昔に夜が更けていた。海風が、わたしの頬を撫で、涙を一緒に連れ去っていく。誰もいない海は、罪を犯したわたしを許すまじと、闇で包む。けれどわたしはそれとは正反対に、清々しい気分でいた。
どうしてあんな化け物と一緒に暮らせていたのだろうか。そう考えれば考えるほど、なぜか晴れ晴れとした気になってくる、涙は絶えないけれど。
わたしはようやく、人になれた気がした。
#海へ
感情に-1をかける。言葉に表すと簡単。しかしながら、人が他人に抱く感情は簡単には変えられない。
プラスもマイナスも、符号がついたまま数値だけが変化する。符号が変わることは少ない。
ただ、符号が変わるときは、絶対値が大きく変わることはない。絶対値が大きければ大きいほど、符号が変わったときのその人との距離はグッと変わる。
好きの反対は無関心とはよく言ったものだ。
#裏返し
2人で帰る。隣に居るのは、想い人。向こうはわたしのことなんて何とも思っていないと思うけど、ただ一緒に居れるだけで嬉しい。2人きりにしてくれた友達には感謝しかない。
待つ。太陽が沈み始めて、駅のホームに居るのに眩しい。その所為で目の前の人を見ることができなくて悲しい。会話は弾んでいるけど、ちょこちょこわたしを煽っているように聞こえるのは気の所為?
乗る。10cmも空けずに座っても、なぜか何も言わないのは、気にしないタイプだからなのだろうか? 文化祭2人で回ろうと誘いたかったが躊躇ってしまって、まだすぐに聞けるのに後悔が積み重なっていく。
降りる。わたしの方が先に着いてしまう。でも、何かと言い訳して更に時を共有してしまうのはちょっと気色悪い気がして、やめておこうという気になる。「じゃあね」と手を振ってくれる。別れを簡単に受け入れてしまっているのだから、わたしもそういうフリをしておこう。明日も会えるからと、自分に言い訳する。明日は今日より沢山話したいな。
#さよならを言う前に
最近空の写真を撮るのが好きだ。自分の行動時間の影響で夕焼けの写真が多い、わたしがただ夕焼けを好いているというのもあると思うが。一日の終わりは寂しいから、わたしは今日も夕焼けの温かさに包んでもらう。夜になってもそれが欲しいと思うから、カメラを向けていつでも見れるようにするのだ。
#空模様