また、夢を見る。あなたと共に居た夢を。
あなたとの糸が切れてから、わたしの毎日は無気力になった。
3年前。わたしはあなたと糸で繋がっていると、信じて疑わなかった。あなたもそうであるはずだった。
苦しい。それがわたしを締め付ける。どうしてと問うても、そこにあなたは存在しない。そういう運命だと頭では解っていても、心は言うことを聞いてくれないものだ。
願わくば、あなたと最期に会いたかった。
#赤い糸
僕は、意気地無しのせいで、君と会う最後のチャンスを逃した。君は引っ越してしまおうとしていた。迷っていた。まだ会いに行けるときでも、君が忙しいかなとか言い訳して、「最後」から逃げた。最後にしたかった会話ができなかった。
もう君に会えないのだと悟った。それでも会いたくて会いたくて。場所さえ分からないのに君を捜した。見つかる訳もなく、程なくして僕は帰宅させられた。
引っ越しから半年後、君から葉書が来た。どれほど喜んだか。住所が分かってようやく会いに行けるのだと、確信した。けれど、葉書には絶望の言葉が書いてあった。
「うちの子と仲良くしてくれてありがとう」
君は、もうこの世には居なかった。交通事故らしい。苦しかった。僕はどうすれば良かったのだろうか。どうしたとしても、君がこの世には居れやしないけれど。
もう振り向かないことにしよう。だって、僕が泣き続けてたら、君も悲しいでしょ? ずっと君は僕の心に住んでいるって信じて、僕は前を向くことを決意した。ただ、これだけは言いたかった。ありがとう、って。
#君と最後に会った日
液体窒素で凍らした薔薇は、手を触れただけでボロボロと崩れ落ちてしまう。
そう、散々に冷たく扱われた人間のように。
#繊細な花
1年はあっという間だ、と大人はよく言う。
わたしにとって、1年はひどく長い。一日が、何時間も何時間も耐えて耐えてようやく、なのにも関わらず、1年が短い訳ないだろう。
けれど、ふとした時に、あれっていつだったっけと振り返った時に、何年も前のことだったりする。
1年はあっという間だ、と最近思うようになった。
#1年後
わたしはまだ子どもだと思う。成人していないから。けれども、子どものころの記憶は何と言われたら沢山思い浮かぶのは何故だろうか。
#子供の頃は