すっかり気候は春となった、3月9日。
卒業シーズンの時期である。
学生生活、いい思い出なんてなかったな、とりあえず義務教育だったから通っていただけで。
長ったらしいお偉いさんの話を聞きながら、ユウカは、体育館の天井をぼんやりと眺めていた。
特にいじめられもせず、これといった活躍もなく、赤点とかもなく、可もなく不可もなくといった学生生活だったと振り返ってみる。
とりあえず、高校には進学する、みんなが進学するので、高校までは出ようと思って。
(でもなぁ……)
ユウカはため息をつく。
お偉いさんの話が長いからではなく、これからの高校生活を考えると憂鬱になったようだ。
中学校の生活でこんなにつまらない毎日だったのに、高校に行ったらいきなり青春のきらきらした日々が待っているのだろうか。
過ぎ去った日々を思い返しても、まだ見ぬ先の日々を考えてみても--ユウカはまたため息をつく。
せめて恋でもすれば、未来に光が差し込むだろうか、過ぎ去った日々は戻ってこないけれども、高校生になったら少しは楽しく過ごしたいとユウカは思った。
【過ぎ去った日々】
※【お気に入り】などのシリーズの出会う前話
生きるために働いている。暮らすために働いている。
生きるためには暮らすためには、お金が必要になる。
だから私は、お金より大事なものはないと思っていた。
世の中では、お金より命だとか、お金より愛だとか、綺麗事で溢れかえっているが、結局のところやはりお金が一番大事だと思うのだ。
何のためにお金が必要なの?、という問いには、生きるためにご飯を食べるために家のローンを払うためにと即答する私である。
だから私は、仕事を週6日してうち5日は残業をしている。お金がほしいからだ。
ただ一つだけ、百歩譲ってお金より大事なものはと問われたら、自分の体だろうか。
体は資本とはまさにこのことだ。
健康でなければ稼ぎたくても稼げない道は狭まって行く。
その体の健康の維持にもお金は必要な訳で。
卵が先か鶏が先か。
体が健康であってこそのお金でありたいと思う。
【お金より大事なもの】
三月も半ばになると、ずいぶんと過ごしやすくなる。朝晩の冷え込みも今までよりも穏やかだ。
そろそろ、夜の散歩を再開しても良さそうだ。
俺は晴れていれば夜にジョギングや散歩をしていた。が、寒いのは苦手なので冬季はお休みしています。
でも、そろそろそれを再開してもよさそうな気候になってきた。
扉を開ける。まだ少し寒さがあった。我慢はできるくらいなので、俺は家をあとにする。
空を見ると、星が輝いている。月も煌々と輝いていた。冬のようにすぐそこに星が月がある訳ではないが、これもまた美しい。
歩きスマホならぬ、歩き夜空。同じ前方不注意だ。どちらもその世界に溶け込んでしまう。見いってしまう。
寒さに負けて夜の散歩を自粛していたが、この絵になる夜空をみると、また毎日月夜を見ながら散歩をしようと思ってしまうのだ。
【月夜】
もうすぐあの日が来る。
あの時、あちらこちらで言われた言葉は「絆」
それがなければ、ここまで復興できなかった。
子どもの名前にも、この字をつける人が多かっただろう。
なんでも感でも絆が繋ぐらしい。
亡くなってしまったあの人とも、今も絆で繋がっているだろうか。
奇跡で繋がった電話で、あの人は
「帰ってきちゃだめ!」
が、最期の言葉だった。
その日が近づく度に、その言葉が声が蘇る。
断とうにも断ちきれない人の結び付きを絆というらしい。
さようならも言えずに消えていったあの人とも、私はまだ絆が繋がっていると思う。
今日の空は雨上がり、とても爽やかな澄んだ空だった。
【絆】
※半分実話です。亡くなってはいない。
頑張り続けるママへ
たまには息抜きも大切だよ。
いつも気を張り続けたら疲れるでしょ。
誰かに監視されている訳でもないのだから、少しくらい手を抜いたって構わないんだよ。
全部完璧にするのは凄いと思う。
でも、それで潰れそうになるんだったら元も子もない。
心が擦りきれてしまいそうでしょ。
疲れたら休んでいいんだよ。
誰かを頼ってもいいんだよ。
泣きわめいたっていいんだよ。
ママが頑張っているのは伝わってるよ。
だからこそ、たまには休みなよ、って心配になるんだよ。
元気で明るいママのことがみんな好きだからね。
たまには自分が子どもみたいに、やりたいことをやっていいんだよ。
毎日ママは頑張っているんだから。頑張りすぎているんだから。
疲れきったママより
【たまには】