炎天の下、蝉がけたたましく鳴く
打ち寄せる波が、なんだか荒々しい
突然の雷が、ゴロゴロと鳴り出し
空は真っ暗な闇に包まれ
ヒヤッとした涼しい風が吹いたと思えば
突然のスコールが
バケツをひっくり返したように降り注ぐ
土砂降りの雨に打たれ
雨宿りできる場所を求めてさ迷い駆ける
行き先は?
まだ空いているか?
スコールに掻き消された先を
どうにか見抜いて駆け回る
天の怒りから逃れるように
◇─◇─◇
雨が止み
どす黒い空に、晴れ間がよみがえった
暖かな風が舞い込む
振り返れば
キラキラ輝く7色が
生還した我らに
『よくやった』と微笑みかける
ー夏ー
広く澄み渡る太陽の下、ソヨソヨと光輝く月夜に紛れ
星は今も細々と輝いているのに
強く眩しい光に掻き消され、未だ見えずにいる
行き先を急ぐ行き交う人々に掻き消され
人に紛れて自身を見失ったように
移り変わりゆく景色に掻き消され
安らぎを求める心が掻き消されてゆくように
生きたいと願う命の光は、失われつつある
夢は、どこなんだ?
生きる希望は、今も存在しているのか?
分からない、分からないけど、自分は確かに存在してる
今も、ここに
ー隠された真実ー
こんな真夏に風鈴を飾ったって
風が吹かない、靡かない
音もしなけりゃ、クルクルと紙が回るだけ
あと少し!あと少しで、鳴りそうなのに!
風鈴の音とは裏腹に、クルクルと回る紙切れ
今年の夏も、暑くなりそうだな……
ジージージーッと、セミの鳴き声だけが聞こえていた
ー風鈴の音ー
俺は、とある場所に出た
無限に広がる地平線
見渡す限りの天と地の狭間
『ここは、どこなんだ?』
思いの言葉が、どこまでも反響する
答える人は、誰もいない
天と地の狭間で、たった1人
さっきまで、病院のベッドで寝たきりで
来る日も来る日も、同じ天井ばかりを見続けていたのに……
体が軽い
鉛のように重かった体が、ここへ来てから、重みを感じないんだ
『もしかして、天国か?』
夜も朝もない、ただただ続く地平線
地に足をつけてるのか、天に足がついてるのか……
それさえも、分からなくなっていた
見渡す限りの地平線
俺は、どうしたというんだ?
ー心だけ、逃避行ー
思い描く、未知の世界
大海原を突き進み
気高い山を駆け抜けて
目指すは、理想の大自然
神秘な洞窟、突き進み
キラキラ輝く、金銀財宝
悪者倒して、勇者復活!
これで、この世も世界平和!
ー冒険ー