星乃威月

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7/10/2025, 3:40:07 AM

うるさい、うるさい、うるさい‼


どんなに叫んでも、周りは騒がしくて

黙りもしない

静かにもならない


耳の中は、騒音まみれ


うるさい、うるさい、うるさい‼

誰か、静めてー‼




ー届いて.....ー

7/8/2025, 11:18:52 AM

あの日、俺は、1人の命を失った


真っ暗な先

かなり遠く儚い夢を追いかけ、走り続けてた


制止する彼女の声を振り切り

ただ前だけを見つめることに、心を捧げていた


◇─◇─◇


いつしか、彼女は崩れ落ちてしまった


「あなたの命と私、どっちが大事なのよ⁉」


叫び声が、心の奥に突き刺さる


「俺は……夢を諦めたくない……走り続けたい

 ただ、前だけを見つめていたい……

 よそ見してる暇なんて……ないんだ……」


「あんたのバカ‼

 このままだと、死んじゃうんだよ?

 分かってるの……⁉」


「分かりたくもない……

 このまま、消えてなくなるなんて……

 認めてたまるか‼」


「ツヨシッ‼」


涙を浮かべた彼女の姿を背に、俺は走り去った

闇の中を、ただひたすら前に向かって


その行為が

やがて大きな間違いだったとは気付かずに……


◇─◇─◇


「カンナーッ‼ カンナッ! 目を覚ませっ‼」


俺は、彼女の名を叫び続けた

しかし、返事はない

さっきまで、笑い合ってたのに……


辺りは血の海


『何が、何が起きたんだ……

 さっき隣で話してたのに……!』


見上げると、ビルの上を走り去る人影が映る


「アイツかっ‼」


────────────────────────

「あなたの心臓は、胸に爆弾を抱えているようなもの

 走ったり、激しい運動は、避けるように

 決意が固まりましたら、早急にご連絡下さいね」

────────────────────────


医者から言われた言葉が脳裏に浮かんできた


「あんな言葉、聞いててたまるか‼」


俺は闇に紛れ、ビルの間を駆け抜けた


満月の夜、月明かりの下

街灯も届かない暗闇を、果てしなく駆け抜ける


彼女の思いを、願いを、これからの人生を……

犯人を逃がすわけにはいかないから



ーあの日の景色ー

7/8/2025, 3:03:55 AM

もしも翼があったなら
迷わず飛んで行けたのに

もしも願いが叶うなら
世界平和を願ったのに

もしも天才的な頭脳があったなら
人のため世のため力を尽くせたのに

もしも病気が世界から消えたなら
人は人を愛せたのかな

もしも、もしも、もしも……
考えてもきりがない

叶えられる事なんて
微塵も見当たらないのだから




ー願い事ー

7/7/2025, 5:41:31 AM

俺は、寝たきり

声も出ない、起き上がれない

多分、一生寝たきりなのだろう……

◇─◇─◇

歩けた頃は、空が恋しかった

青空の下、虹がかかり

雨の中を、はしゃいで駆け回った


『なんて、きれいな空なんだ』


回り回る空

夕暮れ時の赤く燃える日も、好きだった

毎日眺めてたら、空と一体感になれた気がした


まさか、もう見れないなんて……

◇─◇─◇

「○○さ~ん、ブラインド、閉めますね」


首も動かせないから

窓に目を向けることも出来ない


星空、見たかったな……


大きな満月を背に

キラキラと輝く星空は

たくさんの夢を描かせてくれた


大きな月なんかに負けじと、光輝く星

自分も、同じように光輝けたら……と

何度、思ったことだろう


空、近くて遠い空

俺は、いつになったら自由になれる?



ー空恋ー

7/5/2025, 1:03:45 PM

晴天の空、エメラルドブルーの青い海

打ち寄せる白波、肌色の砂浜


足を踏み入れれば、パシャパシャと水しぶきが舞う


麦わら帽子を片手に、耳を澄ませば

ザー、ザバァー、と、寄せては返す波の音


暑い暑い真夏は、まだ先

真っ白なワンピースのスカートが、ヒラリと舞い

涼しげな風が、耳を擦る


このまま、時が止まればいいのに……と

寄せては返すさざ波に、しばらく耳を澄ますのだった



ー波音に耳を澄ませてー

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