幼き日々
笑いあった場所
思い出の地
あの頃の景色は
今では別世界で
泣いても笑っても
戻っては来ない
あの頃に見てた景色は
どんなだっけ?
おぼろ気ながらに描く
「ここに道があって、家はここで
見えてた景色は、そう、この角度から……」
向いた先には
高く聳える真っ黒なビル
過去を拒絶するかのように
立ちはだかっていた
美しかった過去になんて
すがるものじゃない‼
と、言わんばかりに
あの頃に見ていた
きれいな空
気高い山
自然豊かな草原は
微塵もなく消え去った
「もう、思い描けないよ……」
記憶の地図は
跡形もなく風化してく
そう痛感した瞬間だった
ー記憶の地図ー
コーヒーをそそぐ
香りが漂う
ただ、それだけなのに
ホッとするのは、なぜだろう
君がいるから?
君と飲めるから?
いや、違う
コーヒーの香り漂う中で
今日も、のんびり寛げるからだと思う
有難う、マグカップ
ーマグカップー
もしも君に、翼が生えてたら
今、何を思う?
翼のない私を
哀れに思うだろうか
もしも君に、1つだけ願いが叶うなら
何を願う?
どんなに願っても叶わない私を
可哀想に思うだろうか
もしも君が、自分と出会ってなかったら
今君は、何を思う?
心引き裂かれる思いか
気楽で心が晴れ晴れするのか
そっと聞かせて
ーもしも君がー
機嫌が良い時は
口ずさむ君
遠くにいても
近くにいても
どこからともなく
聞こえてくるメロディ
聞いてるこっちまで
気分が良くなりそうだよ
君の微笑む声も聞けたら
大満足だ
ー君だけのメロディー
目の前一面に広がる田んぼ
水面に反射して、雲が流れ
青空に映し出す山々
その稜線が、柔らかに揺れる
清々しい風が吹き
草の香りが、ほんのり漂う
風がそっとささやき
水面が揺れ
初夏を思わせる暖かさ
何もないけれど
都会にはない、美しい景色に
心が晴れ渡り
幼い頃の下校中
時折立ち止まっては
夕陽の移り変わりゆく景色を
じっと眺めていた思い出が
よみがえる
大自然に囲まれた、この地は
春は、桜の舞
夏は、草木に囲まれ
秋は、紅葉が舞い
冬は、雪が降り積もる
朝は、朝日のうす影に染まり
夕方は、夕陽の鮮やかさに照らされる
同じ場所なのに、異なる色
私は、この景色の、
移り変わりゆく光景が好きだ
歳を重ねた今も、心惹かれ
何年先も、同じ場所から見ていたいと
心から願う
ー I love ー