星乃威月

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幼き日々

笑いあった場所

思い出の地


あの頃の景色は

今では別世界で

泣いても笑っても

戻っては来ない


あの頃に見てた景色は

どんなだっけ?

おぼろ気ながらに描く


「ここに道があって、家はここで

 見えてた景色は、そう、この角度から……」


向いた先には

高く聳える真っ黒なビル

過去を拒絶するかのように

立ちはだかっていた


美しかった過去になんて

すがるものじゃない‼

と、言わんばかりに


あの頃に見ていた

きれいな空

気高い山

自然豊かな草原は

微塵もなく消え去った


「もう、思い描けないよ……」


記憶の地図は

跡形もなく風化してく

そう痛感した瞬間だった




ー記憶の地図ー

6/17/2025, 2:55:23 AM