星乃威月

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4/11/2025, 11:01:56 AM

「君、名前は……? 僕は──」


公園でばったり出会った、同じ制服の人

同級生なのか、下級生なのか

はたまた、先輩かもしれない

けど、声をかけずには居られなかった

同じ背格好、同じ髪

瓜二つとしか思えない出で立ちは、他人とは思えなかった


「ぼ、僕は、シンジって言います! 聞いたこと、ありませんか?」

「……シンジ?」


顔を傾げながら、考えに耽っている

最近の記憶を巡らしてるのか

それとも、過去の遠い記憶を遡ってるのか……

しばらく間が空いた後、僕の目を見て、ハッとした


「シンジって、幼い頃に生き別れた、あのシンジか?」


未だに信じられない

血が繋がってたとはいえ、長い間、会えなかったのだから


「大きくなったな! 今、何年生だ?」

「高二になります 失礼ですが、君は?」

「俺は、高三 ってことは、俺が年上だな!」


めちゃめちゃフレンドリーに話す君

初対面の兄弟とはいえ、こんなにも親しくなるものだろうか



生き別れの兄弟

長い間、話も出来なかったのに

その後も、初対面とは思えないほど、話は弾んだ




ー君と僕ー

4/11/2025, 12:52:04 AM

夢へ向かって、羽ばたいてたのは、いつだっただろう


蒼い蒼い空を、自由に飛べるように

白いキャンパスに、何でも描けてたように

何事も、自由に羽ばたけると思っていた


病気にならなかったら……

もっと早く、受診してたら……

あんなに気を付けてたのに、どうして……


後悔だけはしないよう

ただただ我武者羅に、前だけを向いて生きてきた

けど、どこで間違えたのだろう……


前へ、ひたすら前へ──

その気持ちが、良くなかったのかも知れない


夢を叶えるためには、心の余裕も大事


夢へ向かって飛ぶ

私は今も

叶えられなかった希望に向かって、歩み進めていますか




ー夢へ!ー

4/10/2025, 2:31:47 AM

面会謝絶の祖母


元気じゃないんだろうけど

元気でいることを願いたい


峠とか、多臓器低下とか……

『そんなの、気のせいだよ』って

誰かに言われたい


こんな時、どうすればいいんだろ……

残された家族が、一番心配


早く元気になってね


声に出して届けられない自分が

一番虚しい




ー元気かなー

4/9/2025, 1:08:24 AM

「またね!元気でね!」


幼い頃に交わした約束から、早何年


スマホも携帯も、普及してなかった頃

親しかった友達は、どこか遠くの街へ行ってしまった


自分の住所も、電話番号も分からなかった

文通をしたくても、方法が分からなかった

声を聞きたくても、また会いたくても

まだ幼かった私には、術がなかった


卒業アルバムにも載らなかった、あの子

今頃、何してるだろう


別れ際、渡してくれた紙

あれが住所だと分かった頃には

名前も忘れていた


せっかく教えてくれたのに

どうすればいいのか分からず

文通をしなかった私を、憎んでるだろうか


笑顔で教えてくれた住所は、今も

私の宝箱の中で眠っている




ー遠い約束ー

4/7/2025, 12:33:19 PM

見渡す限りの 花畑(フラワーガーデン)

晴れ渡る空

咲き誇る花たちを見ようと

集う人々


当たり前の光景

当たり前の日常

まさか 特別だったなんて……


都会に住み始めて間もなく

春になる度

見渡す限りの花々が

見れなくなった


心寂しくなったな……


そんな時に出会った

花屋(フラワーショップ) に飾られてた花たち


あの頃に戻れたら……と

咲き誇る花を見つめては

懐かしき 花の絨毯(フラワーカーペット)を

思い描くのだった



ーフラワーー

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