星乃威月

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「君、名前は……? 僕は──」


公園でばったり出会った、同じ制服の人

同級生なのか、下級生なのか

はたまた、先輩かもしれない

けど、声をかけずには居られなかった

同じ背格好、同じ髪

瓜二つとしか思えない出で立ちは、他人とは思えなかった


「ぼ、僕は、シンジって言います! 聞いたこと、ありませんか?」

「……シンジ?」


顔を傾げながら、考えに耽っている

最近の記憶を巡らしてるのか

それとも、過去の遠い記憶を遡ってるのか……

しばらく間が空いた後、僕の目を見て、ハッとした


「シンジって、幼い頃に生き別れた、あのシンジか?」


未だに信じられない

血が繋がってたとはいえ、長い間、会えなかったのだから


「大きくなったな! 今、何年生だ?」

「高二になります 失礼ですが、君は?」

「俺は、高三 ってことは、俺が年上だな!」


めちゃめちゃフレンドリーに話す君

初対面の兄弟とはいえ、こんなにも親しくなるものだろうか



生き別れの兄弟

長い間、話も出来なかったのに

その後も、初対面とは思えないほど、話は弾んだ




ー君と僕ー

4/11/2025, 11:01:56 AM