卒業式 に 離任式
別れあり 涙あり
3月は別れの季節だ
別れがあれば 出会いもある
別れは惜しいけど
"再会" を 期待して
"bye bye ..." ではなく
"さようなら" でもなく
また会える日までの 暫しの別れ──
涙を堪えて 元気よく 笑顔で
"またね!" と 大きく手を振った
"また 必ず会えるよね……" と 期待して
ーまたね!ー
降り積もった雪を溶かし
真っ白な景色に 彩りを与える
北風から南風へ
空の青さが 深くなってゆく
日の長さは延び 暖かさがもどり
枯れた草木に 淡い緑の芽が伸びる
人々の目も
下を向く風景から 空を見上げる景色へと 移り変わって──
ある日 少女がやってきた
長い髪をなびかせて 靴音を鳴らしながら
彼女は言った
「あなたには才能がある
だから 私と一緒に やろう?」
半ば強引に付き合わされるがまま 俺たちは伴奏を組んだ
学校の音楽室
風とともに舞う花びら 奏でる旋律──
日々 練習に付き合わされるに連れ
春風とともに 俺たちの気持ちも 駆け抜けてった
ー春風とともにー ~四月は君の嘘 より~
ふと気付けば 涙が出てる時がある
悲しくはない 思い出してもない 何の感情も抱いてないのに……
"不思議だな" とは思っていた
だが 過去に友達との関わりで 同じ現象を見ていたから
"そんな事もあるか" と 気にも止めなかった
しかし 事態は一変した
寝ても覚めても 体調は悪くなる一方──
日に日に悪くなり 市販薬が効かなくなった
"これはおかしい" と 精神科を受診した
主治医は皆口を揃えて 『分からないね』と 答えた
精神疾患ではない となると 何なんだ……?
思い当たる症状を頼りに サイトを検索した
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過度のストレスにより 無意識に涙が出る事がある
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過度のストレス……?
確かに 過度のストレスは感じていた
が 耐えられない程ではない
皆と同じように 学業をして 課題をして 生活をして
けど 睡眠時間は少なくて……その何が『過度のストレス』なんだ?
当時の私には "過度のストレスの概念" が 分かってなかった
ー涙ー
綺麗なモノを キレイと感じ取る心
美しいモノを ステキと感じ取る心
一瞬の輝きを 儚さと感じ取る心──
それらを構成してる
光、音、触れた感触、味、匂いを感じ取る 五感
どこにでも行ける、何でも話せる 身体
それらにも感謝だが
やはり
"幸せを感じ取れる心" があるから
人は 幸せでいられるのだろう
姿は見えないが いつも側にある
当たり前すぎるのに
他の感情に支配され 忙しくなると
幸せを感じ取る心の余裕は なくなってゆく……
いつも側にある "小さな幸せ"
いつしか 人は
見失ってるのかもしれない
ー小さな幸せー
サ
ク
ラ
咲
く
晴
れ
の
日
に
追
い
風
先
ゆ
く
道
は
桜
色
に
包
ま
れ
|
春
爛
漫
|
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3月28日 0時37分 追記
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卒業式を迎え
住み慣れた学生生活も、もう終わり
この春から新社員になる
着なれない白いブラウスに、黒のスーツ
踵の高いヒールを履いて
とうとう新社会人を迎えた
仕事が順調に進む中
社会人の仲間となった今でも
学生の頃の呆気なさは、まだ抜けない
毎日毎日、懸命に働いて
かれこれ、もう5年目
順調に成果を出せるようになり
今では任される仕事も増えてきた
社内でいい人とも巡り会えた
人生、薔薇色~!
とまでは行かないが
仕事も恋も順調に進みすぎて
景色を眺める余裕もないくらい
忙しい日々を過ごしていた
そんな最中での春
まだ3月と寒空が続く中
桜が咲き出した
チラホラと見える桜の木々
早い場所では
桜が満開に咲いている所も見えた
「綺麗~ もう春なんだね~
忙しさで、見てる余裕もなかったよ」
久々に上を向いて歩く晴れた通勤路
鳥の囀ずりも、何だか懐かしい
「よ!また一緒に行こうか?」
待ち合わせていた彼氏
付き合い始めたとはいえ、まだまだ駆け出し
恥ずかしさのあまり、まだ手を繋いだこともない
「ここ、穴場なんだ 寄ってかないか?」
彼氏のいうがままに、ある通りにたどり着く
目の前に広がる光景
そこには、見渡す限りの桜並木が満開に咲いていた
「すごい!どうやって見つけたの?」
「ふふーん!秘密だよ~」
鼻では笑っていたが
彼は仕事終わりに一人で出掛けては
早咲きの桜並木を毎日のように探し回っていたのだ
そんなことはつい知らず
突然の突風が二人の背を押した
「「わっ!!」」
倒れそうになりながら堪えた先には
間近に迫る二人の顔
「ご、ごめんなさい!
倒れるかと思って、良かった……」
心配する私をよそに
彼は目を見開いて前を指差した
「それより、見て!桜が、スゴいことに……」
「え……っ」
彼の指差す先には、見渡す限りの桜吹雪が──
空も、街路樹も、道も、全てが
桜一色に染まっていく
それはそれは
とても幻想的な光景が繰り広げられていた
何年ぶりに見ただろう
桜の花びらが落ちて行く間
私は、我を失い欠けて
ボーッと蜃気楼を見ていた
「仕事に追われ、早5年
仕事を任されることは増えてきたけど
まだ幼さの残るあどけなさ
私、このままのでいいのだろうか──」
我に返った私は、桜の花言葉を思い出した
[純潔・優美な女性・精神の美・あなたに微笑む]
そのどれもが優雅な女性像──
今のままでは、彼氏には不釣り合い……
もう立派な大人
立派な大人には、それなりの見振りを!
「雅也……」
「な、何だよ 思い詰めたように
急に名前なんかで呼んで……」
「私、今日から優雅な女性を目指す!
ううん、今から優雅な女性になる!
だから……ね」
と、彼氏にそっと微笑んだ
「今日は、本当にありがとう
とても嬉しいよ
来年も、その先の来年も、ずっと……
またここで一緒に見ようね」
「七海……」
見つめ合い、そっと手に手を取り合う二人
会社へと続く通勤路を歩む先には
しばらく桜吹雪で出来たピンクの絨毯が広がっていた
いつまでも末長く続きますように……