エチ²O₂π

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4/26/2023, 1:40:33 AM

何故、流れ星なぞに願いを込めるのか。
それは至極簡単で、願いというのは叶わない事を知っても尚最終的な到達地点として設定せざるを得ない観念そのものであり、史的唯物的な生物とは無縁の極地だからである。
故にこれから堕ちていく星に願いを込めて、観念そのものと流れ星を結びつかせて実在を与えるのだ。無ければ足掻きもしないが、在れば充分に人は狂えるのだから。

「流れ星に願いを」

3/15/2023, 4:04:09 PM

やたら眩しいと思い目を擦って見てみれば、そこは星に溢れていた。
泥水を啜って、人の死に様を見ては笑って、腐敗した肉を美味いと言って喰らう、人間の形を保っているのが奇跡であるかのような牛鬼蛇神の朝蠅暮蚊。人糞に群がる虻の方がまだ清潔だろう。
我々は堕落した星に似た生ける灰燼だ。眩しかったのはお天道様が我々を監視しにきたからだ。
死体の処理と清掃。それには仕事仲間も含まれる。私も数分後には屍にすらなれないゴミとして捨てられるかもしれない。
星が溢れこぼれ落ちれば流れ星となる。
流れ星の行き着く先を考えた事はあるのだろうか。
流れ星に向かって3回願い事を唱えれば叶うというまじないがある。
さて我々に何ができるだろうか。

「星が溢れる」

3/8/2023, 8:20:44 AM

月は無慈悲な夜の女王が所望するのは欲望。つまり、生涯満たされる事のないクラインの壺である。かぐや姫は相変わらず燦然と輝いて届きそうも無い月に希望を我々に植え付ける。

「月夜」

3/5/2023, 11:13:26 AM

たまには 近道をしたい 駄目かしら

「たまには」

2/28/2023, 2:48:08 PM

ここはよく知っている。じゃれあいながら通っていた小中学校の通学路も、その付近に駄菓子屋がある事も。冒険と称して友人らと危ない道をひたすら渡ってみたり、クラスメイトの家を探しては遊びに誘ったり、誰が一番早く公園に着くか競ってみたり。
引っ越してからは織物の糸が解かれていくように在りし日を断片的に、確証の無い曖昧模糊な思い出として記憶していたのだが、訪れてみれば自分がここで生きていたことを自分の名前が彫られている大木が教えてくれる。まばらな糸が体系的な形を現して織物になる。
すぅぅと息を吸って、ゆっくり吐く。
街は既に解かれていた。
ここは知らない街だ。

「遠くの街へ」

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