まだ妹が生まれてない頃。
私と母と父の三人で車に乗って、ドライブに出掛ける夢。
夢だから場面がすぐに切り替わって、車に乗り込んだ瞬間にはもう、目的地に到着していた。
目的地といっても、本当にそこに行きたかったのか分からない。誰も喋らないし、私達以外誰もいない。
私達は既に車から出ていた。
私達は山頂にいるようだった。 柵のない駐車場から下を覗けば、辺り一面雲に覆われていたからだった。
駐車場から反対方向に緑色の鉄骨製の橋みたいなものがあって、私達はその場所へと進む。
その橋は車が1台分走れそうな広さだった。どうや
ら作りかけのようで、橋は途中で途切れていた。
そして私はその場でしゃがみこみ、橋から下を覗く。
そこで目が覚めた。
不思議なことが、2つ。
○小さい頃にみた夢で何故かこれだけ鮮明に覚えてる。(10年以上前)
○途中から4人になる。(自分が幼い私をみてるような感じ。)
所詮子供の頃の夢だから何にもないけどね。
〇自転車に乗って
貴方はもう忘れたかしら。
学生の頃だから、50年くらい前のこと。
あぜ道を自転車で走りましたね。
あんな細い道を、しかも2人乗りで。
私は覚えています。
あぜ道だから舗装などされていなくて、ガタガタと自転車は大きく揺れるものだから、私は強く貴方を抱き締めた。
貴方は何も言わなかったけれど、
私の腕から貴方の熱が伝わってきて。
また貴方の背中と夕日が重なるものだから、
眩しい、そう思ったの。
あれから私達はずっとそばにいて、
私は何度も貴方に恋をした。
先に貴方はいってしまったけれど、
もうすぐ私も会いに行きますので。
また自転車に乗せて貰えたら嬉しいです。
〇夜の海
海は好きじゃない。特に夜の海とか。
好きじゃないというか怖い。
波の音で私を暗い水底まで誘っているようで。
潮の香りが人の汗の匂いのように感じてしまって。
それでも私は海を求めてしまうから。
人間って不思議。
終点+麦わら帽子
知らない駅に降りた。
駅と言っても、駅名も時刻表も改札もない。
地に足をつければもう、辺り1面小さな花々が咲き誇る何とも不思議な場所だった。
振り返ると既に電車はいなくなっていて、代わりに麦わら帽子を被る少女がいた。
麦わら帽子で顔はハッキリとは見えなかったが、
僕はなんだか見覚えのあるような気がして。
僕は走って少女に近づいた。
そして目の前まで近づいた後、思い切り少女を抱き締めた。
夏に似合うジャスミンの香り。
そう少女は僕の、
会いたかった。
私もよ。
知らない駅に降りた。
けれどもう電車は来ない。
ここはもう終着点なのだから。
上手くいかなくたっていい
信じる心があれば、とか綺麗事いうんでしょ。
私が知ってる物語にはそういう場面があって。
大体主人公がそんなセリフを吐く。
でも不思議だね。
現実で言われたら凄く傷つくだろうに、
物語の主人公が言ってたら凄く嬉しいの。
なんだか切ないね。
鐘の音が聞こえる。
近くの教会で結婚式を挙げているようだった。
貴方が守ったこの国で、今日も誰かが幸せになっている。
私も貴方と結婚したかった。