ノイシュ

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終点+麦わら帽子

知らない駅に降りた。
駅と言っても、駅名も時刻表も改札もない。
地に足をつければもう、辺り1面小さな花々が咲き誇る何とも不思議な場所だった。

振り返ると既に電車はいなくなっていて、代わりに麦わら帽子を被る少女がいた。
麦わら帽子で顔はハッキリとは見えなかったが、
僕はなんだか見覚えのあるような気がして。

僕は走って少女に近づいた。

そして目の前まで近づいた後、思い切り少女を抱き締めた。
夏に似合うジャスミンの香り。
そう少女は僕の、



会いたかった。
私もよ。



知らない駅に降りた。
けれどもう電車は来ない。
ここはもう終着点なのだから。







8/11/2023, 11:23:19 AM