いつもきらきらしていて輝かしい、太陽のように笑う君の笑顔の先にいられることが幸せ。君の瞳の中は透き通っていて、純粋という言葉がとてもよく似合っている。最後に君の目に映る景色は私がいいな。君の瞳の中で一生過ごせたらいいのに。
君が大事に育てていたミニトマトを口の中で潰す度に私は何を思えばいいのかわからなくなる。涙なんてもうとっくに出しきって頭の中もからっぽだ。シーンと静まった部屋にただ自分の咀嚼音だけが聞こえて、今ではそれが当たり前で、そんな現実にまた喉奥が苦しくなる。テーブルの上には色違いのコップが2つ仲良く並べられていた。本当はもう君はいないのに。本当に大好きなの。君のためならなんでも出来ると思った。何でもしたいと思えた。ふわふわの卵焼き、甘くて溶けてしまいそうだ。君が好きな味。本当は今日も君に食べさせてあげたかったから卵を3つ使った。ねえ今あなたはどこでなにをしているの。「早く帰って来ないと卵焼き冷めちゃうのに」そう小さく呟いて私は今日も君を待っている。
なにもかも上手くいかない毎日だけどあなたの笑顔を見ると生きる気力が湧いてくる。その真っ白いすべすべとした触り心地の良い頬に触れるだけで明日も頑張ろうって思える。本当に産まれてきてくれてありがとう。
特別になりたかった。
1番になりたかった。
かけがえのない存在になりたい。貴方にとっての宝物になりたかった。たとえ私が貴方にこの上ないくらい愛情を注いだとしても、
ぎゅっと力いっぱい抱きしめたとしても、私は貴方の記憶という川の泡となって消える刹那的な存在でしかないのだ。
私は貴方の特別にはなれなかった。
「別れたくないよ。」
感情的になってはいけない。分かっていた。分かってる。自分が一番分かっている。
真っ白なシャツが瞬時に真っ赤に染まった。ポタポタと赤い液をたらし、貴方は頬を濡らしながら必死に何かを訴えていた。ごめんなさい。
赤く染った包丁を垂直に向けた。これが私が貴方に贈る、最初で最後の花束。
動かなくなった貴方を横目に私は自分自身に真っ赤な刃物を向けた。
私で終わらせたかった。
貴方にとっての特別を私で終わらせたかった。最期まで特別でいたかった。
ずっとずっと伝えたかった気持ち
君に伝えられないまま終わっちゃったね。君のちょっとした行動を深読みしすぎて落ち込んでいたあの日も、気づいてないふりしてわざと声を大きくしたあの時も、君はずっとあの子の事を考えていんだよね。私、君の視界にも入れなかったけど、ずっと大好きだったよ。