「何してんの?」
声を掛けられ、咄嗟に後ろを見た。
そこにいたのは、友達のヒロキだった。
私「べっ、別に、何でもないけど?そっちこそ、何してんのよ。」
ヒロキ「いや、暇だったから声掛けただけ。んじゃ。」
そう言うと、ヒロキは行ってしまった。
私は何でもないフリをしていたが、本当は嬉しくて、たまらなかった。
なぜか、って?そりゃあ、片想いしてる人に話し掛けられたら、嬉しいでしょ?
でも、同時に焦りの気持ちも表れた。
…告白の準備をしていたからね。
ふう、いくぞ。
はあ、今日も言えなかった。俺って本当、弱虫だな。なんで、何でもないフリしたんだろう。
でも、そろそろ言わなきゃ、
「好きです。」
って。
よし、この片想いにけじめをつけるぞ。今度こそ。
「「あのさ、話したい事があるんだけど。」」
カーテンを開け、朝を迎える。
その時、隣のあの子と目が合った。
あの子は手を振り、僕に笑いかけた。
僕は手を振り返したが、それどころではなかった。
だって、あの子が僕のキューピッドだもの。
ウキウキしながら、今日の支度をする。
そして家から一歩出たその時
あの子もドアを開け、家を出ていた。
・・・これが運命か。
「窓から見える景色」
形の無いもの、それは「個性」
私達には「個性」がある。
全く同じものは存在しない、
いや、存在出来ない。
一人一人の「個性」は言動でも、形でも表現出来ない。
自分しか持てない、大切なものだ。
あのジャングルジムではよく遊んだなぁ。
あの頃は空のような水色だったが、今はもうサビていて所々茶色になっている。
「一番早く上まで来たら勝ちな!よーい、ドン!」
「えぇー、待ってよー」
なんて会話を思い出す。
最初はビビって2段しか登れなかったっけ。でも、やっていくうちに一番上まで登れるようになって、しまいには俺がみんなを追い越して真っ先に一番上まで登れるようになったんだっけ。おかげで「サル」って呼ばれてたなぁ。
よし、ちょっと久しぶりに登ってみるか。そう思い、足をかけた瞬間
パキッ
と、良からぬ音がした。おそらくサビの部分が剥がれたのだろう。
このままだと、絶対にパイプを折ると確信した俺は、残念ながらもジャングルジムを後にした。
「声が聞こえる」
少年のその言葉で私達は歓喜の声を上げた
手術は成功した
少年は涙を流し、久しぶりの「音のある世界」を楽しんだ