【遠くの空へ】
私は思想が強いです。
弱くありたかったです。
愛のためにも。
体系的回路、関係に適合できなかった結果、
理解が懐疑になりました。
事例と大衆が証明した正しさを歪曲し、
間違いにしています。
それは思考の大半を複合した反射神経であり、
理解に無理やり接着した、穢れている糸。
外見ですべての好意を結びつけられるなら、
単純でも、幸福だと思います。
世界はとても助かるでしょう。
個人の
情報を知る方法とは、
行動の監視、詞章の凝視。
しかし永劫に不可視です。
研究と検証が没干渉です。
他人の
全プロフィールには、
真贋の混在、遮断の存在。
脳内にすべてを保管できません。
読解と解釈の完答はありません。
だから外見を見る。
だから美術の直結。
直感的で短絡的な思想経路のほうが
世界はとても助かるでしょう。
ただ、私はできなかった。
数多の現実によるノイズが
脳にディストーションが生じ、
傷が包含された娯楽に
その命題にある欠損なんて
楽しさと可分すべきものを
知ってし
まって
自撮りの通知
イケメン。
ビジュ最強。
かっこいい。
遠くの私はそう人を解釈したようですね。
マニアを放棄したアルマだけの愛ですね。
空虚なのはこの世界線の私みたいですね。
視覚で人生が解決したのなら、
群へのクオリアはなんだったでしょうか。
私はどんな色眼鏡で感じてたでしょうか。
私はどんな作品を残していたでしょうか。
でしょうか。
で
しょう?
ね。
この文章の代わりとなる存在を知りたかったな。
戯言を遠くの空へ向けます。
【!マークじゃ足りない感情】
スマホの上側にSNSの通知が来た。
え?
何度見つめ直しても
推しのアイコン、そして自撮りの文字が出てる!
過呼吸になる!!!っはぁあ!!!
!!!!!!??????
まって!!!!
まってこれやばいこれ
顔尊すぎだろ
なんだこれ
…ぁぁあああああ!!!!!!!!!
叫びながらスクショ連打!!!!!!!
そこから先の10分は覚えてない。
ただ推しが尊すぎて、記憶できてなかったよう。あー、これ電車の中じゃなくて家の中でよかった。尊死してる姿を推しくんがみたらどう思うんだろう。
ドン引きされるのかな、警察に通報されるのかな、そのまま刑務所行きなのかな…。
改めて推しくんの自撮りをみても、頭の中は
「マジでやばい」「やばい」「かっこいい」「すき」
なんて言葉しか出てこないや。
そういえば、昨日、自分の推しの素晴らしさをオタク友達に語ろうとしたけど、いまいち伝わってないけど、とか言われたし、SNSで推しの良いところをみんなに布教しようとしても、言葉が出てこないよ…。
あーあ。推しくんに胸張って届けられる語彙力があったらなぁ。
…勉強すればいいじゃん。
そう思ったら即行本屋行った。
何がいいのか全く知らなくて3回くらい本屋と自宅を往復した!!!!!
自分の嫌なこと、課題とかタスクとか、を両立しながら、語彙力を鍛えていった。
そして、推しが日本武道館でライブをすることになった。ライブ会場でファンレターを入れる箱があることを、他のファンが届けてくれたVlog動画で知った。なんか光が見えた気がした!!!
勉強をしてから、オタク友達にも推しの魅力を伝えることできて、布教に成功したし、あと、SNSでの素晴らしさ啓蒙活動もいいねも増え始めた!
語彙力を鍛えるって地味なことだと思ってたけど、熟語を意味を知るたび先人の考えがとても面白く、世界が広がる感覚がしたんだ。
ライブまであと2週間なので、ファンレターの下書きをアプリのメモで書き始めた。
もうすぐだ!!!!もうすぐで推しくんに自分の想いを伝えられるんだ!!!!!!!
!マークじゃ全く足りない感情を、紙に込めるから!!!
いつも笑顔をくれてくださり
ありがとうございますね!!!!!!!!!!!
あー、この文章の代わりとなる存在ってなんだろう!!!!感嘆符全く使ってないのかな!!!!!!!
【君が見た景色】
ボールが1mから落ちた。
次第に大人しくなっていく。
音の残響は無限の面積を徐々に崩した。
そこにいたのは4人の人間。
▶「まだ部活やってるんだー」
▶「試合…思い出したくない」
▶「青の弾丸」
▶「また試合してぇ!」
無数の人間の思ったことは違った。
それで繁栄しました。
【君が見た景色】
すべてを
すべてを
すべてを
すべてを
カテゴライズする現代
すべてが該当者
繁栄したっていうのにね
【言葉にならないもの】
だから比喩が生まれました。
大海原 → 果てを知らない青の世界
青春 → 桜が朽ちる直前の一瞬
社会構図 → 巨大な蜘蛛の巣
私 →
私は「」です。
言葉にしてみろ。
一つの生命である。
細胞の集団である。
客観的傍観は絶対的条件ではない。
また、
分類のレッテル如きで、
脳内のスノッブ如きで、
アルマは言葉にできません。
そして、
私が死なない限り
明確な言葉にならないもの。
しかし、
比喩は自由。
「」です。
言葉にしてみろ。
【風を感じて】
道路を駆ける赤いオープンカーの運転席でのお話。
ハンドルを右に切りながら、水平線の奥まで見えるきらびやかな大海原と空を眺めた。
君が麦わら帽子を手にかけ、青と水色に釘付けになっているのがバックミラー越しにわかる。
潮の香りと、前からの疾風が絶壁の崖の上でもダイレクトに伝わってくる。
適当に操作して流れたラジオからは知らないポップス。
ガソリンの音と小節ごとに配列された人工音、そして風と絶景が僕たち2人の会話のはじまりを妨げた。
ただ、地球の迫力を身体全身で感じるだけ。
目的地なんて忘れてる。
そんな風を小学生の夏休み、確かに感じていた。
つくえには就職か、大学か、なんて問う紙がひとつ。進路希望調査票。
卒業後の進路の枠にペンを動かした痕跡がない。
オープンカーに乗りたい、
なんて子供みたいな妄想を押し殺して、
心の奥に閉ざされた万能を押し殺して、
自分が夢を見つけた展望を押し殺して、
ただ勉強なんて教育の義務に意味もわからず向き合う。
ただ、勤めの消化を身体全身で感じるだけ。
目的地なんて忘れてる。
【風を感じて】