もしも過去へと行けるなら
もしも過去へと行けるなら
私は死んだ祖母にもう一度会いたい。
私はいわゆるおばあちゃんっ子だ。
両親が仕事に行っている間、
基本的にずっと家でいる祖母と過ごした。
一緒にたくさん遊んだし、
一緒にたくさんお喋りをして、
祖母のことが大好きだった。
きっと祖母も私のことが大好きだった。
祖母は私が何をしても
大袈裟なくらい褒めてくれたし、
欲しいと一言言ったものは、
毎回たくさん買ってきた。
どんな時でも味方になってくれて、
どんな時でも寄り添ってくれた。
サザエさんのアニメのように、
ずっとずっとこの幸せな家族の形は続いていくのだろうと、
幼心にそう信じ込んでいた。
祖母が亡くなって、もう7年近くになる。
最期まで祖母は私のことを想ってくれた。
ご飯が食べられなくなって、痩せ細っても、
私が会いに行くたびに笑顔を見せてくれた。
こんなに自分のことを差し置いて、
私のことを想ってくれる人は、きっとこの先いないだろう。
もう一度、祖母に会いたい。
今文章を打ちながら、どうしようもなく涙が止まらない。
True Love
夫と出会って思った。
本当の愛とは、
相手の良いところだけではなく、
嫌なところも含めて愛せること。
互いに許すことができること。
娘が生まれて思った。
本当の愛とは、
相手からの見返りを求めず、
ただただ愛しいと思うこと。
無償の愛。
これからも一緒に生きていきたいと思うこと。
それが家族と築く本当の愛。
またいつか
一期一会という言葉はとても素敵な言葉だと思う。
私もこれまでたくさんの出会いと別れを経験してきた。
その中の一人が、私の親友だ。
県外の大学に通っていた私は、
大学を卒業して、地元に帰ることになった。
大学で大親友だった友達が、
卒業式の日に、目の前で泣き始めた。
普段にこにこしている友人が泣いている姿に、
私ももらい泣きをして、二人で号泣した。
そうか、青春を過ごした4年間はもう戻ってはこないんだ。
毎日のように一緒に過ごした日々は無くなるんだ。
彼女の涙で、ふつふつと実感が湧いて寂しくなった。
それでも、
卒業してからも年に2,3回のペースで遊んだ。
会えば昔みたいに、くだらないことで笑い合って、
小さな青春を感じた。
その友人は、海外に1年間留学に行き、
そこでであった台湾の人と婚約した。
それに伴い、台湾で暮らすことになった。
その前に一時帰国した時、会いにきてくれたが、
帰り際に今度は私が涙が止まらなかった。
国内ならともかく、海外となるとなかなか会いには行けない。
それがすごく悲しかった。
それからも、時々電話して互いの話をした。
誕生日には荷物を送り合った。
今年から、親友は家族も一緒に日本で住むことになった。
お互いに子供ができて、中々会える頻度は減ったけど、
それでも会いに行きやすくなった。
今年の秋に親友に会いに行く。
お互いの子供を連れて、数年ぶりに。
こんなにずっと変わらない出会いがあるんだと、
彼女に出会えたことは一つの奇跡のように思う。
別れても、そのままずっと会わないことはありえない。
心から「またいつか」と言い合える。
そんな親友が私にはいる。
星を追いかけて
今夜流星群が見られるとニュースで見た日、
夜中に一人で車を走らせて、
近くの公民館の駐車場に行った。
普段は一人で夜出歩くのなんて、
怖くてできはしないのだけど、
どうしても流れ星が見たくて。
空を見上げて、目を皿のようにして、
か細い光が線を描くのを探した。
この時だけは、夜の闇を怖がらず、
星を必死で目で追った。
別に流れ星に願いたいことがあったわけではないんだけど、
あったとしても、あの短さで3回唱えられる人なんていない。
ただ、無心で星が落ちていくのを見ていた。
今を生きる
戦争があった時のことを、
今を生きる私たちは知らない。
それはとても幸せなことだと思う。
戦時中の日本の話を聞くたびに、
その時代に生きた人のことを思い、
辛く悲しい気持ちになる。
戦争で死んでいく戦士たち、
戦火で亡くなった人たち、
大切な人を見送らねばならない人たち、
自ら死にゆく特攻隊、家族が死んでおめでとうと言う文化、
命を軽々しく扱った異常な時代だったんだと思う。
どれほどの人が、辛い思いをしたのか、想像すらできない。
平和な今の時代を生きる私たちは、
その辛さを味わわなくてもいい。
でも、今の時代の日本でも、
悲しいことはたくさん世の中に溢れている。
その辛さに耐えきれず、自ら死を選ぶ人もいる。
また、他の国ではまだ戦争が続いているところもある。
望まぬ死は、突如訪れることもある。
生きることは、いつの時代も大変さを含んでいる。
私自身は、今とても幸せで、
もちろん辛いことや悲しいこともあるけれど、
毎日が小さなきらめきで満ちている。
そんな幸せのかけらを拾い集めながら、
私は一生懸命に今を生きていく。