れもん

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9/6/2025, 9:46:26 PM

誰もいない教室

昼間は騒がしい教室も、
夕方になって子供が帰った後の教室は、
静まり返っている。
ただ、子供達の机と椅子が、
寂しそうにたたずんでいる。

中学3年生の担任の先生が、
卒業式の前日、夜に教室で一人、
黒板に素敵な黒板アートと、
クラス全員の名前を書いていた。
「何度怒ったか分からないし、
トラブルが起こった時に何度も悩んだ。
でも、この子達からもらったものも、
数え切れないくらいある。
それも、明日で最後なので」
そう言いながら、その担任の先生は
誰もいない教室で微笑んだ。

その担任の先生の微笑みは、
誰もいない教室の机や椅子と同じように、
少し寂しそうな微笑みだった。

9/5/2025, 6:19:33 PM

信号

急いでいる時の運転で、
赤信号がとても長く感じてしまう。
焦っているから、イライラしたりする。
少し早く出たらいいだけの話なのだが、
私は昔からどうもそれができない。
ある種の病気なのかもしれない。
時間ギリギリまで何か用事をしていないと
気が済まないのだ。

時間に余裕がある時の赤信号は、
別になんとも感じない。
同じ赤信号でも、
状況によっては気持ちの持ちようが
全然違ってくる。

明日こそは時間にゆとりを持つぞ!
と、今日も望みのない目標を立てながら眠りにつく。

8/23/2025, 10:17:50 PM

遠雷

近年雷が鳴る日が多くなったような気がする。
スコールみたいな短期間の土砂降りも同様に。
原因の一つは地球温暖化らしい。
やっぱり地球は変化しつつあるんだ。

子どもの頃は雷が鳴るのはなんだか珍しくって、
遠くで鳴る雷を見ながら、
すこしドキドキしながら、
それでいてちょっと怖いもの見たさで楽しみながら、
空から落とされる光の線を見ていた。

大人になった今、
仕事中に何度も落ちる雷の音に、
ビクビクしながらパソコンを打っている。

雷は地球から人間への天罰なのかも。
地球をダメにしていくことに対して、
物凄く怒ってるんじゃないだろうか。
地球温暖化が止まらない現在、
怒りの雷も鳴り止まない。

8/20/2025, 1:44:48 AM

なぜ泣くの?と聞かれたら

私はよく涙が出る。
悲しい時、悔しい時、
腹が立った時、感動した時。
その時に「なぜ泣くの?」と聞かれると、
「分からない」と答えてしまう。

別に泣きたくて泣いているわけではないのだけど、
感情が昂って、一線を越えると、
勝手に涙が出てくるのだ。
できるのであれば、泣きたくはないし、
誰か涙の止め方を私に教えてほしいくらいだ。

特に子供が生まれてからは、
小さい子供が亡くなるニュースを見ると、
涙が頬を流れる。
人生経験を経るごとに涙腺が緩むとはこのことか。

色んな経験を通じて、
色んな立場から物事を見れるようになって、
色んな視点から考えられるようになった。
涙を流すのは、誰かに寄り添えるようになった証。
そう思えば、涙を流すのもなんだか悪く無いような気がしてくる。

8/18/2025, 12:45:32 AM

終わらない夏

お盆もすぎて、夏休みも残り数える程度。
夏がようやく終わろうとしている。
でも、今年の夏は暑すぎて、
35度越えの日なんて日常茶飯事。
今だに暑さはとどまることを知らず、
9月も最早夏模様。

私が小学生の時、
夏休みが終わる頃には、
夕方に祖父母と夕涼みをして、
電線に停まる烏の群れを、
拍手で追いやって遊んだ。
外に椅子を出して、うちわで扇ぎながら、
飛んでいく烏の群れを眺めていた。
今は夕方でも涼むなんてできやしない。
うちわはただ熱風を送るしかできず、
なんの気休めにもならない。

夏は例年伸びている。
暦の上での夏は、今の時代では通用しない。
夏休みは終わってほしくないけど、
夏は早く終わってほしい。
今の子たちはそんな風に思っていたりして。

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