羽化

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4/6/2025, 12:52:57 PM

新しい地図 チラシの裏にお気に入りのクレヨンで新しい地図を描いた。 まだ見ぬ世界へ、足を踏み入れる 「しゅっぱつだ!」 家で寝てばかりの猫を抱き上げて、我らは進む! 猫がイヤイヤしても、あとには引き返せない。 さあ、家の庭に出て冒険開始! 知らない、花や草がたくさん咲いていた。 「あなた達のお名前は?」 猫を抱えたまましゃがみ込んでお話したよ。 どこにでもある草花かもしれない。 でもきっと名前はあるはずなんだ。 それが知りたくて草花に聞いてみた。 足元の草は風に揺られてクスクス笑うだけ。 草木も風に揺れてざわざわ笑うばかりで答えはしない。 「お名前を聞いているのに失礼しちゃうわ!」 猫を再び抱き上げると土の甘いにおいがする。 びゅうっと風が吹くと、春のあたたかさを感じた。 わたしの中で、世界が広がったような気がした。 新しい地図。心の世界。 気付けば、シャツも靴下も泥だらけ。 今日はママに怒られちゃうね。

2/12/2025, 9:55:17 AM

ココロ

痛みも苦しみも
笑顔も優しさも
ぜんぶ抱きしめて

壊れた硝子
割れたガラスは元に戻らない
それでも拾い集めて

青い春
みんな硝子のようなココロだった
割れたら、破片がまわりを傷つけて
割った自分も傷ついて

それでも大人になっていく
窓際の空
いつも眺めていた

あの席は
いまは誰が座っているのだろう

割れたココロ
それでも輝いていて
割れた破片さえも美しく

傷跡すら愛しくて
愛してるの
大好きだよ

大好き、だよ
ココロ

儚く繊細なキミへ
大人になったボクより。

2/9/2025, 1:00:28 PM

君の背中

ずっと追いかけていた
晴れの日、雨の日、雪の日
その暖かな背中に何度、救われただろう
ある日、あなたを追い抜いていた事に気づいた。

あなたの前に立ってみて初めてわかる
誰かを守るためには、強さ、忍耐、それ以上に愛も
振り向くと、傷だらけのあなたが微笑んでいた

大丈夫だよ
わたしも誰かを守れるよ
負けないよ

だってあなたが教えてくれたから

心を大事にすること、
人を愛すること
たくさんの世界を

次はあなたを守るから
あなたの背中にずっと守られていた
次はわたしが助けるよ
ありがとう、大好きなあなたへ

2/4/2025, 2:03:52 PM

永遠の花束

あなたに捧げよう

記憶も思い出も
あなたがくれたぬくもりも
すべて すべて

わたしは造花にしかなれない
それでもあなたに近づきたい

体温も心さえも
あなたがくれた愛情も
すべて すべて

無に返そう

そして雪が溶けて
春になったのなら

新しい生命が芽吹き出す
その花を集めて
あなたに捧げよう

永遠の花束
愛しいあなたへ

2/2/2025, 12:19:02 AM

バイバイ


彼女はわたしのすべてでした。

白い肌
透き通る声
赤い林檎の様な唇

優しい心
和やかな世界

彼女はよく寒いと言っては
わたしの上着を着ていました
彼女の体温が氷のように冷たいと知りました

このまま彼女はどうなるのだろう
複雑な感情を抱えて
階段をあがります

一緒にシチューを作っては笑い
食べて泣き
たくさん一緒に大人になりました。

そうやって毎日が過ぎていき
ある日、彼女が上着を着ていない事に気付きました

そう、わたしの上着がなくても
もう大丈夫なのです
冷たい峠は超えました

彼女は笑顔で走り抜ける

新しい世界へと

冷たい世界とはちがい
そこは大勢の仲間がいて
桜が満開の世界だった

「バイバイ」

「ばいばい」

祝福のバイバイ
生きて行く道はちがうけれど
彼女の幸せを祈っています。

いままでありがとう。

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