旅の途中
真冬の空
かじかむ手
白い息
駅で偶然、あなたのうしろ姿をみかけた
何年振りだろう
小さかった背中が大きく見えた
あなたの横には小さな子供
あなたのうしろ姿によく似た子供
同じマフラーを巻いて、
愛しそうに笑うあなたと表情
あなたの背中は父親の背中になっていた
ああ、そうか
時は平等に進むのだ
わたしも前を向かなくちゃ
辿り着くのは違う駅。
でもそれでよかったのだと思えた。
さよなら、初恋
ありがとう、好きだった人
恋しい人。
帽子かぶって どうしよう?
お母さんの帽子をこっそり、かぶってどうするの?
かわいい、おしゃまさん
ワンピースもかわいいね
ちょっぴり背伸びしたおねえちゃん
お母さんに内緒で口紅を塗るの
みんなに内緒で今日はどこに行くの?
帽子の中には子供のヒミツがたくさんね
まだ見ぬ景色、
わたしを連れて
心は風のように舞う
愛しい君
美しい空
歩き出す僕ら
泥だらけの靴
まだ咲かないつぼみ
袖の通っていない制服
ドキドキする心臓
そこには何があるの?
君の瞳にうつるすべて
心が揺れる
涙が溢れる
いつかまた会おうね
まだ見ぬ景色、
僕らの青い春が待っている
あの夢のつづき
いつかの夢
あの日の夢をもう一度
黄色い長靴はいた雨の日
小枝を振り回した夏の日
空を見上げた雪の日
――すべてが宝物みたいに輝いていた
いつしか、ぼくらは大人になって
夢みる事を忘れてしまった
黄色い長靴をはいて走り回る事も
枝を振り回すことも
雪降る空を見上げる事も
――ぜんぶなくなった
じゃあどうする?
――あの日の夢のつづき
みてみようか。
あたたかいね
キミのぬくもり
ぼくのぬくもり
触れるあたたかさ
キミといると心があたたかくなるんだ
キミが笑うと声があたたかくなるんだ
そうやって
そうやって
満たされていく
なぜだろう
あたたかいんだ
どんなにつらい寒さでも
どんなに凍える恐怖でも
キミがいるとあたたかくなる。
ボクはキミの何かになれているかな。
ボクもキミのやさしさになれていたらいいな。
あたたかいね。
あたたかいよ。
キミのあたたかさにボクもなりたいよ。