ちっちゃなはは

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6/19/2024, 2:38:06 PM

”相合傘“

幼馴染だったアイツ
いつも一緒だったから
隣にいるのが当たり前で
中学でもずっと変わらないと思ってた
いつからか、私の背よりも高くなって
腕相撲も簡単に負けるようになって
アイツはどんどん男になった

雨が降るといつも傘を忘れて
私の所にやってくる
私は毎回仕方なく傘に入れて一緒に帰る
当たり前の日常

ある雨の日
アイツは私の所に来なかった
何気なく3階の窓から外を見ると
アイツが誰かの相合傘で帰ってた
その時初めて気が付いた
当たり前だと思ってたのは私だけ
今頃気付くなんてバカみたい

私の傘は無地の水色
“お前らしいよな!”って言ったよね
”空みたいで良いよな!“って言ったよね
だから明日聞いてみよう

“オマエが好きな色は水色でしょ?”って

6/16/2024, 11:17:33 AM

”1年前“

貴方とさよならしたのは
ちょうど1年前のこの日
雨が降る中で
私達は待ち合わせをした
別れる為の待ち合わせ

あれから1年
今日は雲ひとつない青空で
外出日和だが
私は仕事に向かう

嫌いじゃなかったけど
貴方との約束がだんだんと
辛くなって
私から別れを選んだあの日

いつになったら貴方を忘れるだろう
こんな青空の日でも
まだ貴方の事を思い出してしまう
どうせ思い出すなら雨でも良かった

今日の天気予報は晴れなのに
なぜか傘を持っていた
あの時さしていた傘
私はカフェのしまい忘れた傘立てに
その花柄の傘を入れて
私は振り向く事なく
前に進んだ

6/16/2024, 5:10:36 AM

”好きな本“

10代の頃はサスペンスものが好きで
お小遣いを貯めては単行本を買い
まるで自分が探偵にでもなったかの
ように、夢中になって推理していた

20代になり私は次第に恋愛小説に
はまっていった
まるで自分が主人公のヒロインに
なったかのように
非現実的な恋愛に憧れた

30代になり私はエッセイにはまった
いろんな分野の人達の体験や
思いに興味が湧き
笑ったり、泣いたりしながら読んだ

40代には癒し系の本を
手に取るようになっていた
自分がどう生きるべきか
自分がどうしたいのかが
わからなくなってつまずいた時に
誰かに
“大丈夫!あなたはあなたのままで良い”
と言ってほしいかのように
読み続けていた

そして50歳になって
私はどんな本を手に取るのだろう?
今まで私に寄り添ってきてくれた
大切な私の大好きな本の
背表紙を思い出しながら
また新しい本に出会う為に
今日も本屋さんに立ち寄ってみよう

6/11/2024, 11:52:25 PM

“街”

この街に住んで何年になるだろう
逃げるようにこの街にやってきた

山奥の小さな村で生まれ
小さい時は何不住なく生活をして
いつからか、私は不住を感じるようになり
山奥の小さな村を
いつしか出る事しか考えていなかった

そして学校入学を期に別の町に住んだ
ただその時は、まだ人の優しさが
どれだけありがたい事かが
わからない馬鹿者だった

私は就職を期にこの街にやってきた
生活の不便はないが
隣の住民も知らない
他人のプライベートに関わらないこの街
この冷たい大きな街で
果たして自分の事を
知ってくれている人は
何人いるんだろう
自分を気にかけてくれる人は
いるのだろうか?

やっと気付いた!
どれだけ人の優しさがありがたいか
どれだけ人の温もりが恋しいか
忙しいだけのこの街から
あの温かな村に
いつか帰れるように
心の準備を整えよう!

6/9/2024, 11:09:05 PM

“朝日の温もり”

ウグイスの鳴き声で目が覚めた
窓から差し込む朝日が
眩しく感じる

いつもと変わらない日常を
毎日ゆっくり歩いて行く

昔は平凡な日常が嫌で
無理をしながら頑張って
行きたくもない食事に付き合って
笑えない会話で笑って
毎日駆け足で過ごしていた

いつからか、疲れ切って
走れなくなった私は脚を止めた
走る事をやめてみた
そしたら、気付いた事がある

いつもの変わらない日常が
どれだけ幸せだったのか
ゆっくり歩いて前に進む事が
どれだけ楽しい事かを

だから、私はゆっくり歩いていく
朝日の温もりを感じながら
きちんと周りを見て
今日もゆっくり前に進む

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