”夜景“
私の家は高台の上にある
初めて越してきた時は
夜景が綺麗で毎日眺めていた
いつからか
毎日同じ風景に
綺麗と感じる事も
ゆっくり眺める事も無くなった
それはまるで夫婦のよう
初めて夫婦になった時は
新しい生活や二人でいれる事や
二人での共同作業に
幸せを感じていたが
月日が流れると同時に
それが当たり前になり
時には幸せさえ感じなくなる
時もある
当たり前ってある意味怖いな
そんな事を思いながら
夜景の見える高台の家に向かって
今日もゆっくりと
坂を登って行く
”言葉はいらない、だた・・・“
今まで生きてきて
いろいろな出来事があった
楽しい事も嬉しい事も
もちろん、辛い事も悔しい事も
悲しい事もあった
でも、必ず誰かが一緒にいてくれた
家族、友達、恋人
会社の先輩や同僚…
本当にたくさんの人と関わり
たくさんの人に支えられ
今まで自分は生きて来られたと思う
“感謝”
これからも
神様が許してもらえる限り
暫くは生きていく事になる
だから今度は
私の大事な人達が辛い時や悲しい時に
言葉はいらない、ただ…
となりでずっと笑顔で寄り添える
そんな人でありたいと思う
そして、今まで”感謝“を
少しずつでも返して生きたい
“麦わら帽子”
子供の頃にこんな事があった
皆で近くの田んぼのあぜ道で
トンボを採っている時
私のかぶっている麦わら帽子が
田んぼの真ん中まで飛んでしまった
”田んぼには絶対にはいってはダメ“と
散々大人から言われていた私達は
青々とした稲の上に
ポツンと置かれた麦わら帽子を
ただ見ていた
すると、暫くして誰かが
ぐちゃぐちゃな田んぼの中を
麦わら帽子に向かって歩き出した
そして麦わら帽子を掴むと
満面の笑顔で麦わら帽子を持って
手を振った
私は禁断の田んぼに彼が
入ってしまった驚きと
その光景があまりにも美しく見えて
ただ、目を奪われた
もちろん
その後は田んぼに入った事がバレて
彼はこっぴどくしかられた
後から聞いたが、彼は言い訳を一切
せずにいたらしい
何十年も経った今でも
その光景が昨日の事のように思い出す
青々した稲の中で
キラキラした笑顔で私に手を振る
一つ年上の“カツ兄”
その瞬間から
私の初恋は始まった
“終点”
長い長い人生の線路を
私と言う列車が進んで行く
ある時は新幹線のように早く
ある時は急行で
でもこれからは
各駅停車で進んで行こう
途中で下車したお客様や
今も楽しく乗車してくれてるお客様
新しい駅で新しいお客様を乗せながら
楽しい旅になるように
終点までゆっくり進んで行こう
“上手くいかなくたっていい”
”人生100年時代“と
良く耳にするようになった
そうなると
50歳から人生折り返し地点?
折り返し地点になって
今までを振り返ると
楽しく波乱万丈な人生だった
50歳の時に灯し忘れたロウソクに
火を灯す様に“bucket list”を作った
結構考えていると
たくさんの経験をして来たと思っていても
やりたい事ややり残している事は
ある物だと気付かされた
昔は何をするにも上手やらなくちゃ!など
かなり無理して生きてきた気がする
見栄や変なプライドや嫌われたくない思い
今ではそんな昔の自分を
客観的に見る事が出来るようになった
今、私の”bucket list“は
一つ一つゆっくりと実行されて
ロウソクの灯が消されていく
上手くいかない事もあるけど
”上手くいかなくたっていいじゃん“
だって、最後の“bucket list”の
ロウソクの火を笑顔で消せれば
それはそれで
私の人生に悔い無し!