”誰か“
たくさんの顔を持つ私
別に小説のような事ではなく
笑顔もいろいろ
家族と一緒の時
仕事場にいる時
友人といる時…
喜怒哀楽
場所によって違う気がする
たまにどれが本当の自分の顔か
わからなくなる時があった
でもたぶん全部自分なんだ
そんな風に思えたのは
随分歳を重ねてから
あの時の誰かさんのおかげ
その誰かさんが私に言った
あなたはあなた
あなたの喜怒哀楽はあなたのもの
誰もあなたの喜怒哀楽は真似できない
だから
いろんな笑顔があっていい
僕はそんなあなたを愛おしく思う
私の背中をそっと押してくれた
その誰かさんと
私はこれからも
歩んで行きたいと思う
”旅は続く“
私はふっと足を止めた
そして後ろを振り返ってみる
今までずっと歩き続けた道
山あり谷あり
沼あり砂利道あり
落とし穴あり…
平坦な道なんか一つもなかった
けれど…あれ?
私のどの道にも
温かな力強い光が差していた
そして道の周りには
たくさんのひまわりが咲いていた
”あ〜!どんな危険で大変な道にも
私を助けてくれる人や想いがあったんだ!“
光は希望
ひまわりは家族や友人達
私はまた前を向いた
そこには、キラキラした光が差し込んだ
ひまわり畑の中にある
一本のまっすぐ平坦な道
わくわくする気持ちを胸に
笑顔で一歩踏み出した…
私はそこで目が覚めた
“私の旅はまだまだ続く”
さあ!今日も仕事頑張ろう!
”涙の理由“
あれ〜?何で私泣いているの?
一年に一度ぐらいの感じで
勝手に涙が出る事がある
理由はわからない
それは毎回突然おきる
ただ、不思議なのは
それは毎回お風呂の中
別に悲しい訳ではなく
淋しい訳でもなく
辛い訳でもない
毎日結構楽しく過ごしているし
仕事も人間関係も順調
恋人がいるわけでもなく
結婚しているわけでもないが
友人との時間もひとりの時間も
楽しくやっている
ただ一つだけ…
いつでもどこでも笑顔でいる
努力はしていた
ポジティブに生きる為に
だからなのかな〜?
気付かぬうちに
私の心のコップのネガティブの水が
満水になり溢れちゃうのかな?
私の涙の理由は
私にも良くわからないけれど
きっと大切な事なんだと思う
そう思う私は
やっぱりポジティブな人間だ!
”夏の忘れ物を探しに”
あれはずっと昔
あれだけ好きだったサーフィンをやめた
春夏秋冬海に行く程夢中になってた
それはある夏の終わり
私の大好きだった”たっくん“が
突然天国に旅立った
ずっと一緒にサーフィンをして
ある時は思いっきり
サーフィンの話でケンカして
ある時は思いっきり
サーフィンの話で盛り上がり笑った
おじいちゃん
おばあちゃん
になるまでずっとサーフィンしような!
って言ってたのに…
いつも一緒だったのに
その日私は就職の面接で
一緒にサーフィンに行けなかった
”明日一緒に海行こうな!面接頑張れよ!“
それがたっくんと最後の会話になった
おじちゃんから連絡が来て
慌ててたっくんの家に行くと
まるで寝てるようなたっくんがいた
私はたっくんの冷たい顔に触れて
はじめてその現実を知った
けれど不思議な事に涙は出なかった
私はお葬式の次の日
たっくんと行っていた海に
サーフィンに向かった
海に着いた時に突然涙が溢れた
”たっくんが隣にいない“
そう思った瞬間私の身体は震えた
震えと一緒に涙がどんどん流れて
海に向かって声を出して泣いた
たっくんがいなくなった
怖さと
寂しさと
悔しさと…
自分が壊れて行くのを感じた
私はその海に二人の思い出を置いて行き
そして私は大好きだった
サーフィンをやめた
誰にも何も言わずに…
それ以降
たっくんと行った海には
一度も行っていない
あれから20年位月日が流れ
私にも家族が出来て
息子がサーフィンをはじめた
”何でサーフィン?“と心の中で呟いたが
どうしてだろう
サーフボードを持ってる息子が
たっくんとかさなってしまう
私は息子に言った
”良いポイントがあるんだけど行く?“と!
”行きたい!“と息子が私に言った
たっくんごめんね!
勇気がないから息子と行くね
たっくん!
私があの夏の忘れ物を探すのを
手伝ってね
”夢へ“
いつからだろう
夢を見るのをやめたのは…
子供の頃は
たくさんの夢があった
歳を重ねるうちに
夢も代わり…そしてやめた
せんな自分も人生折り返しになり
また夢を持とうと思った
きっかけをくれた君
ありがとう
それは子供の頃のように
壮大な夢ではないけれど
叶わない夢かもしれないけど
その夢を心に忍ばせているだけで
自分は笑顔でいれる
頑張れるから
私は貴重な時間を
夢へ向かって
笑顔と共に歩いて行く