あの日僕は、学校に忘れ物をしたので、黄昏時に取りに行った。
今日は部活もない日なので、家から少々遠い学校に行くのは嫌気がさしたが、あいにく忘れ物をしたものがレポートで、朝イチ来ても終われないてのものだった。最悪だ。
もちろん学校に来ても、教員しかおらず、学生はいない、はずだったんだ。
バレないように教室まで足を運んだ。そしたら、とても綺麗な黒髪に、紅い瞳の少女が窓の方を見ていた。誰だろうと思った。同じクラスの子かな。僕は物覚えが悪いので、クラスの子の顔さえろくに覚えてない。
こんなに綺麗な子がこのクラスにいたなんて、
そう思いながら彼女に見とれた。それに気づい
は、
「あなたも忘れ物をしたのね」
「あ、ああ」
「どうぞ私に見とれてないで、探しなさいな」
「…」
僕は自分のレポートをとって、教室を出ようと思った。だけどどうしても彼女のことについて聞きたかった。
「君、名前なんていうの」
「私は 、夕子。夕日の子と書いて夕子。」
「わざわざ丁寧にありがとう」
「…」
「君も忘れ物?」
「ええ」
「じゃあ、早く探して出た方がいいと思うよ」
「ええ、そうね…」
「ついでに何を忘れたの?」
「大切なものを…忘れてきちゃったのよ」
「大切なものって、どういう…」
「そうね、ずっと、ずっと昔の日に、この場所で
忘れてきちゃった」
「?」
「早くしないと、見回りが来ちゃうわよ?」
「そ、そうだね…、そろそろ僕も帰るよ。君も早く出た方がいい。」
「ご忠告ありがとう。でも大丈夫」
「そ、そっか、」
「ではさようなら」
「うん、また明日!」
「…」
「ええ、また、明日…」
「明日は私にはないわ」
きっと明日も、明日も
そう繰り返し言っているうちに気持ちが軽くなるんだ、どうしてかは分からないけど、とりあえず気持ちが軽くなる。昔の気持ちに同感したくなるほどひまではないが、明日は必ずしも来る訳では無い。
少なくとも、僕が言うから説得力はあるはずだ笑
そう、過去の僕が知らなくても
いいことだけどね
僕はいつもどうり部屋でニュースを見た。そしたら
「昨日の午後、〇〇市〇〇で制服を着た男の子が遺体で見つかりました。警察は……………」
またそんなニュースか、最近そのようなニュースが多くなっている気がする。そして、そのニュースと自分の過去が重なる。
静寂につつまてている部屋で僕はそんなことを思いながら、今日も日記をつけた
別れの際に彼は言った。
「僕達、性別が違ければ今でも愛し合うことができたのかな」
僕は
「そんなこと言うなよ、性別が違くても、一緒でも、僕は君を愛しているさ」
彼は
「じゃ僕は幸せ者だな」
彼は泣きながら、後を去った。
それから僕は大人になり、今でも彼の事を頭によぎる。僕達のような思いを他の人達が味合わない世の中になってほしいと、僕は思う。
それは、一瞬で全てを濡らしあっという間に去っていく。僕の前に通っていった雨は一体どこへいったのだろうか。どうして、このまま濡らしてはくれないのだろうか。いっその事ずっと降り続ければいい。
そうして僕の弱さを埋めてくれ