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あの日僕は、学校に忘れ物をしたので、黄昏時に取りに行った。
今日は部活もない日なので、家から少々遠い学校に行くのは嫌気がさしたが、あいにく忘れ物をしたものがレポートで、朝イチ来ても終われないてのものだった。最悪だ。
もちろん学校に来ても、教員しかおらず、学生はいない、はずだったんだ。
バレないように教室まで足を運んだ。そしたら、とても綺麗な黒髪に、紅い瞳の少女が窓の方を見ていた。誰だろうと思った。同じクラスの子かな。僕は物覚えが悪いので、クラスの子の顔さえろくに覚えてない。
こんなに綺麗な子がこのクラスにいたなんて、
そう思いながら彼女に見とれた。それに気づい
は、
「あなたも忘れ物をしたのね」
「あ、ああ」
「どうぞ私に見とれてないで、探しなさいな」
「…」
僕は自分のレポートをとって、教室を出ようと思った。だけどどうしても彼女のことについて聞きたかった。
「君、名前なんていうの」
「私は 、夕子。夕日の子と書いて夕子。」
「わざわざ丁寧にありがとう」
「…」
「君も忘れ物?」
「ええ」
「じゃあ、早く探して出た方がいいと思うよ」
「ええ、そうね…」
「ついでに何を忘れたの?」
「大切なものを…忘れてきちゃったのよ」
「大切なものって、どういう…」
「そうね、ずっと、ずっと昔の日に、この場所で
忘れてきちゃった」
「?」
「早くしないと、見回りが来ちゃうわよ?」
「そ、そうだね…、そろそろ僕も帰るよ。君も早く出た方がいい。」
「ご忠告ありがとう。でも大丈夫」
「そ、そっか、」
「ではさようなら」
「うん、また明日!」
「…」
「ええ、また、明日…」




















「明日は私にはないわ」

10/2/2022, 3:53:19 AM