高嶋のぎ

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5/4/2025, 3:10:47 PM

すれ違う瞳



初めは仲の良い友達で、次は仲の良い親友になった。

次第に共通の趣味に没頭し、小さい見栄が絡んだ些細なウソ事すら互いの秘密になった。

無言の約束、無言の誓い、無言の敬愛、無言の慈愛。
いつしかそれらはズレていく。
小さな不安感と小さな違和感、ささやかな嫉妬、ささやかな驕り。

いつのまにこんなに変わってしまったのだろう。
私も、貴女も。

過去の私を見てる貴女と、貴女に過去の面影を探す私。
決して交わらないすれ違いの瞳に、胸が苦しい。

3/22/2025, 11:16:20 AM

bye bye…



ロミオメールというものがある、別れた男からの未練がましいメールやLINEの文章のことだ。

そんなロミオメールが届いたのは私が元彼と別れた半年後。
やれ、挨拶もなしにいきなり会いたいと言ってきたり、どれだけ愛してるか語られても。

気持ち悪いを通り越して逆に笑いのネタでしかない。
友達に困ったフリをしてスクショを送ると案の定、爆笑していた。

今は既読無視作戦中だ。

既に男や気になる奴がいるのか、とか色々送ってきては疑心暗鬼になってきている。
そして最後、

『bye bye…』


で、ようやく通知が途絶えホット一息つく。

やかましいわ。
一生私にかかわらず、自己陶酔に浸ってろよアホが。

3/22/2025, 5:16:58 AM

君と見た景色



子供達が大きくなり、巣立った後には貴方と私の2人きり。

貴方はいつも家族旅行に行くと疲れたと言って、ホテルから出て行きませんでしたね。

思い出せば、お金もなく新婚旅行もしていなかった私達。
今日は2人きりの旅行で、普段からぐうたらな貴方が珍しく山に登ろうと誘ってくれたから。

頂上までゆっくりと2人で時間をかけて登っていく。
はじめて貴方と見た景色。

私は忘れませんよ。

3/15/2025, 1:01:36 PM

心のざわめき


ある程度作品を読むと人柄が見えてくるという。
私は場合はある程度の文章量を読むと、文章のクセが脳内で色やカタチや香りなどのイメージに変換できる。

例えば、仄暗い中にも純粋さがみえるあの人の文章はどこか文学的で、桜の香りがする。
例えば、2次創作を元に発想を飛ばすあの人のまっすぐな文章は、黄色いセロファンで蓋をしたプレゼントの箱みたい。

心をざわめかせる文章はどこか、個性的でそれぞれ美しい。

3/11/2025, 12:44:28 PM





拝啓、私の赤ちゃんへ


はじめまして。
貴方がこれを読む頃はもう立派な大人ということなのでしょう。

私はもうすぐ病で死にます。
死ぬことは怖くないです、寿命は等しく皆にあるものだから。

星にも寿命があるそうですよ。
小さい星は力尽きて黒くなるけど、大きな星は大きな力で爆破し、ガスとなりやがて新しい星の材料になるといいます。
私も貴方という星を生む、大きな星になれたかしら。

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